機能的残気量を決定する因子はどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第63回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4・5番
解説
機能的残気量(FRC)は、安静呼気終了時の肺内に残る空気量であり、肺の弾性収縮力(肺を縮めようとする力)と胸郭の拡張力(胸郭を広げようとする力)が釣り合う平衡点で決定されます。これらの2つの力がFRCの大きさを規定する主要な因子です。
選択肢ごとの解説
- 1. 気道抵抗は、空気の流れにくさを示し、肺の中の空気の出入りに影響しますが、FRCの最終的なレベルを直接決定する因子ではありません。FRCは吸気と呼気のバランスがとれた状態での肺の容量です。正しくは:気道抵抗は呼吸仕事量や呼気時間の長さに影響を与えますが、肺の静的な容量であるFRCの決定因子ではありません。選びやすい理由:呼吸器系の因子であるため、関係があるように思えるかもしれません。混同注意:FRCは静的な容量であり、気道抵抗は動的な呼吸機能に関わります。
- 2. 吸気筋力は、空気を吸い込む能力に関わるため、吸気容量や努力性肺活量などに影響しますが、自然な呼気終了時(FRCレベル)の肺の静的な容量を直接決定する因子ではありません。FRCは筋肉を使わない呼吸の平衡点です。正しくは:吸気筋力は肺をどれだけ大きく膨らませられるかに関与しますが、FRCは安静呼気終了時の肺容量であり、筋力は直接関与しません。選びやすい理由:肺容量に関わるため、関連性を感じやすいかもしれません。混同注意:FRCは安静時の平衡点であり、吸気筋力は最大吸気などの努力呼吸に関わります。
- 3. 呼気筋力は、強制的な呼気を行う際に働くため、残気量(FRCよりさらに少量の空気)や努力性呼気量に影響しますが、安静呼気終了時のFRCの決定には直接関与しません。FRCは努力しない呼気の終点です。正しくは:呼気筋力は強制呼出に関わりますが、FRCは安静呼気終了時の肺容量であり、筋肉の働きは関与しません。選びやすい理由:肺から空気を出すことに関わるため、FRCにも関係すると思われがちです。混同注意:FRCは受動的な呼気の終点で、呼気筋力は能動的な呼気に関わります。
- 4. 正解。胸郭は外側に向かって広がろうとする力を持っており、これが肺を引っ張り広げることでFRCのレベルを維持する一因となります。胸郭が広がろうとする力と、肺が縮もうとする力の平衡点でFRCが決定されます。
- 5. 正解。肺はゴムのように縮もうとする弾性収縮力(リコイル力)を持っています。この力が胸郭の拡張力と釣り合う点で、安静時の呼気終了、すなわち機能的残気量(FRC)が決定されます。
国試ポイント
機能的残気量を決定する物理的な因子について、正確な理解が問われています。特に、肺と胸郭の弾性特性がFRCの平衡点を形成することを理解しているかが重要です。動的な呼吸機能に関わる因子(気道抵抗、筋力)との区別がポイントです。
混同注意
肺の弾性収縮力と胸郭の拡張力がFRCを決定する静的な因子であることに対し、吸気筋力や呼気筋力、気道抵抗は動的な呼吸運動や最大肺容量に関連する因子であり、これらと混同しないように注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
この論点について次回出題される場合、各肺容量の定義、それぞれの決定因子、または特定の疾患におけるFRCの変動(増加/減少)について問われる可能性があります。
関連知識
肺容量には、一回換気量、予備吸気量、予備呼気量、残気量などがあり、これらが組み合わさって機能的残気量、肺活量、全肺気量などを構成します。FRCは特に、呼吸器系のコンプライアンス(伸びやすさ)と関連が深く、疾患によって変動します。例えば、閉塞性肺疾患ではFRCが増加し、拘束性肺疾患では減少する傾向があります。