検査結果と解釈の組合せで正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第67回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
IgM型HBc抗体は、B型肝炎ウイルス(HBV)に感染した際に初期に産生される抗体であり、急性B型肝炎の診断や、慢性B型肝炎の急性増悪期の指標となります。したがって、IgM型HBc抗体が陽性であることは、活動性のB型肝炎が発症していることを強く示唆する正しい解釈です。
選択肢ごとの解説
- 1. IgG型抗体は過去の感染や免疫獲得を示唆します。急性期の発症にはIgM型抗体が陽性となります。正しくは:A型肝炎においてIgM型HA抗体が陽性の場合、A型肝炎が現在発症している。選びやすい理由:抗体陽性=発症と短絡的に捉えてしまう可能性がある。混同注意:IgM抗体とIgG抗体の役割の違い
- 2. HBe抗体が陽性ということはHBe抗原が陰性であり、ウイルスの増殖性が低下している状態を示すため、垂直感染性はむしろ低下します。感染性が高いのはHBe抗原陽性時です。正しくは:B型肝炎においてHBe抗原が陽性の場合、垂直感染のリスクが高まる。選びやすい理由:抗体陽性であれば感染していると捉え、感染性が高いと誤解する可能性がある。混同注意:HBe抗原とHBe抗体の意味
- 3. HBs抗体はB型肝炎ウイルスに対する免疫獲得(回復期やワクチン接種後)を示すマーカーであり、感染初期に陽性になることはありません。感染初期にはHBs抗原やHBe抗原、IgM型HBc抗体が陽性となります。正しくは:B型肝炎においてHBs抗原が陽性の場合、B型肝炎の感染初期にある。選びやすい理由:HBs抗体はB型肝炎に関連するマーカーであるため、感染初期との関連を誤解する可能性がある。混同注意:HBs抗原とHBs抗体の意味、HBc抗体との関連
- 4. 正解。IgM型HBc抗体は、B型肝炎ウイルス感染の急性期や、慢性B型肝炎の急性増悪期に検出されるマーカーであり、現在活動性の感染が発症していることを示します。
- 5. HCV抗体は過去または現在のC型肝炎ウイルス感染を示しますが、C型肝炎ウイルスは慢性化しやすく、抗体が陽性であっても治癒を意味するとは限りません。治癒の判定にはHCV-RNAの陰性化が必要です。正しくは:C型肝炎においてHCV-RNAが陰性化した場合、C型肝炎が治癒したことを意味する。選びやすい理由:抗体陽性を免疫獲得=治癒と短絡的に考えてしまう可能性がある。混同注意:HCV抗体とHCV-RNAの役割
国試ポイント
肝炎ウイルスマーカーの基本的な意味と、それが示す病態を正確に理解しているかが問われています。特に、急性期・慢性期、感染性、免疫獲得を示すマーカーを区別できるかが重要です。抗体と抗原、IgMとIgGの違いを正確に覚える必要があります。
混同注意
各肝炎のIgM/IgG抗体の区別、HBe抗原/抗体と感染性の関連、HBs抗原/抗体とHBc抗体の役割。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出題された場合、まず『IgM抗体=急性期・発症』、『IgG抗体=既往・免疫』の原則を適用できるかを確認します。次に、各ウイルスの特有の抗原・抗体の意味(例: HBs抗原/抗体、HBe抗原/抗体、HCV抗体とHCV-RNA)を正確に想起できるかを判断基準とします。
関連知識
各肝炎ウイルス(A, B, C, D, E型)の感染経路、潜伏期間、臨床症状、診断に用いられる主要なウイルスマーカーとその変動、治療法、予防法(ワクチン)。