病態と脳波所見の組合せで誤っているのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第63回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
うつ病では脳波の特異的な異常所見は通常認められず、むしろ精神活動性の低下を反映してα波の減少やβ波の増加が見られることがあります。周期性同期性放電(PSD)は、クロイツフェルト・ヤコブ病などのプリオン病や重症の代謝性脳症などで認められる特徴的な脳波所見であり、うつ病の病態とは関連がありません。
選択肢ごとの解説
- 1. 橋出血では上行性網様体賦活系の障害により意識障害が生じ、脳波上、高振幅のα波が持続するα昏睡を呈することがあります。これは脳幹部の広範な損傷を示唆します。選びやすい理由:α波は覚醒時の正常な脳波であるため、昏睡と結びつきにくいと感じるかもしれない。混同注意:正常α波とα昏睡の区別。α昏睡は意識レベルと脳波所見が乖離している状態です。
- 2. 精神運動発作(側頭葉てんかん)では、脳波上、側頭部に棘波や鋭波、徐波が認められることが典型的な所見です。選びやすい理由:てんかん発作と脳波異常は関連が深いため、知識が正確でないと判断を迷う可能性がある。混同注意:他のてんかん発作型(例:欠神発作の3Hz棘徐波複合)の脳波所見。
- 3. ミオクローヌス発作、特に全身性のミオクローヌスてんかんでは、脳波上、全般性の多棘徐波複合が特徴的に認められます。選びやすい理由:てんかん発作と脳波異常の関連性を知っていると、迷わず選択しそうになる。混同注意:他の全般てんかん発作(例:強直間代発作)の脳波所見。
- 4. 正解。うつ病では、脳波上特異的な異常所見は認められません。周期性同期性放電(PSD)はクロイツフェルト・ヤコブ病などで見られる所見であり、うつ病の病態とは関連しません。したがって、この組み合わせは不適切です。正しくは:うつ病と特異的脳波所見なし(またはα波減少・β波増加など)選びやすい理由:精神疾患であるため、何らかの脳波異常があると誤解する可能性がある。混同注意:器質性疾患による精神症状と脳波異常。うつ病は機能性精神疾患であり、特異的な脳波異常は通常ありません。
- 5. 自律神経発作の一部、特にてんかんに伴う自律神経症状を呈する発作において、6Hzおよび14Hz陽性棘波がみられることがあります。これは成人では稀ですが、小児期に見られる良性部分てんかんなどで報告されています。選びやすい理由:珍しい脳波所見であるため、その存在を知らないと誤りだと判断してしまうかもしれない。混同注意:正常バリアントや他の自律神経症状を伴う疾患の脳波所見。
国試ポイント
特定の疾患と脳波所見の典型的な組み合わせを正確に理解する。
混同注意
てんかんの各発作型と脳波所見、昏睡の病態と脳波パターン、神経変性疾患の脳波所見。
次に同じ論点が出たら
疾患名と典型的な脳波所見の組み合わせが適切であるかを、それぞれの疾患の病態生理と照らし合わせて判断する。
関連知識
PSDはCreutzfeldt-Jakob病(CJD)の診断に有用な所見であり、特に急速進行性認知症の鑑別診断において重要です。他にも急性散在性脳脊髄炎(ADEM)や重症低酸素脳症でも見られることがあります。