脳波賦活法として誤っているのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第63回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
脳波賦活法とは、通常の状態では観察されにくい異常な脳波活動を誘発・増強させるために行われる手技です。一般的に用いられる賦活法には、開閉眼、過呼吸、光刺激、睡眠(自然睡眠または薬物誘発睡眠)があります。磁気刺激は神経を直接興奮させる方法ですが、通常の脳波検査における賦活法としては使われません。
選択肢ごとの解説
- 1. 睡眠はてんかん性脳波などの異常波を誘発・増強するため、脳波賦活法として広く用いられます。正しくは:睡眠は脳波賦活法として適切です。選びやすい理由:睡眠は覚醒時と異なる脳波パターンを示すため、賦活法と認識しにくいかもしれません。混同注意:通常の脳波検査は覚醒時に行われるため、睡眠が賦活法であることを見落とす可能性があります。
- 2. 開閉眼は後頭部のα波の抑制・出現を確認するために行われる基本的な賦活法です。正しくは:開閉眼は脳波賦活法として適切です。選びやすい理由:非常に基本的な操作であるため、賦活法というよりはルーティン検査の一部と捉えてしまうかもしれません。混同注意:特別な刺激ではなく、日常的な目の動きであるため、賦活法のイメージと合わないと感じる可能性があります。
- 3. 過呼吸(深呼吸)は脳の血管を収縮させ、脳血流量を減少させることで、てんかん波などの異常波を誘発するため、重要な賦活法の一つです。正しくは:過呼吸は脳波賦活法として適切です。選びやすい理由:呼吸は生理現象であるため、これも賦活法として認識しにくいかもしれません。混同注意:深呼吸はリラックス効果があるため、賦活効果とは逆のイメージを持つ可能性があります。
- 4. 光刺激(光点滅刺激、PS)は、てんかんの光感受性を評価したり、後頭部の基礎律動や光駆動応答(PSR)を観察したりするために用いられる賦活法です。正しくは:光刺激は脳波賦活法として適切です。選びやすい理由:刺激という言葉から賦活法と判断しやすいですが、他の賦活法との区別が曖昧になる可能性があります。混同注意:視覚誘発反応と混同しやすいかもしれませんが、こちらはてんかん波の誘発も目的とします。
- 5. 正解。磁気刺激は主に神経細胞を直接興奮させ、運動誘発電位(MEP)などを引き出す経頭蓋磁気刺激(TMS)として診断や治療に用いられますが、脳波の賦活法としては一般的ではありません。脳波検査中に脳波を賦活する目的で通常行われる手技ではありません。正しくは:磁気刺激は脳波賦活法としては一般的ではありません。選びやすい理由:「刺激」という言葉から、脳に何らかの影響を与える手技であるため、賦活法の一種だと誤解しやすいです。混同注意:経頭蓋磁気刺激(TMS)や脳磁図(MEG)など、脳の電気活動に関連する他の検査法と混同しやすいです。これらは脳波の直接的な賦活法とは異なります。
国試ポイント
脳波検査における主要な賦活法の種類と、それぞれの目的を正確に理解しているかが問われる問題です。賦活法ではないが、脳に作用する他の刺激法と混同しないことが重要です。
混同注意
経頭蓋磁気刺激(TMS)などの他の神経生理学的検査や、脳磁図(MEG)といった脳活動を測定する別のモダリティと混同しやすい。また、賦活法ではないが、脳に影響を与える「刺激」と名のつくもの全般を賦活法と誤認する可能性があります。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、各賦活法の具体的な作用機序(例:過呼吸は脳血管収縮による脳虚血、光刺激は光感受性てんかんの誘発)や、それぞれの賦活法で確認できる脳波異常の種類が問われる可能性があります。
関連知識
賦活法を用いることで、潜伏しているてんかん性放電を明らかにする、基礎律動の変動を評価する、誘発反応を確認するなどの目的があります。それぞれの賦活法が脳にどのような生理的変化をもたらし、それによってなぜ異常波が誘発されるのかを理解することが重要です。