頸動脈超音波検査の右総頸動脈長軸像(別冊No. 6)を別に示す。内中膜複合体厚〈IMT〉の計測方法として正しいのはどれか。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第69回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
IMTは血管壁の最内層(内膜)と中層(中膜)の厚さを計測するもので、エコー画像では血管内腔に接する高輝度線(内膜-内腔境界)から、中膜と外膜の境界を示す高輝度線(中膜-外膜境界)までの距離として計測します。選択肢3はこれらの境界を正確に捉えているため正しいです。
選択肢ごとの解説
- 1. 選択肢1は血管壁の一部のみを計測しており、内膜から中膜まで全体を捉えていません。特に内膜-内腔境界のすぐ下のみを計測しているため不正確です。正しくは:内膜-内腔境界から中膜-外膜境界までを計測するべきです。選びやすい理由:血管壁の厚さを測るという意識から、厚くなっている部分の一部を測ってしまう可能性があります。混同注意:血管壁の厚みの一部とIMT全体。
- 2. 選択肢2は血管壁の内膜から中膜外膜境界の手前までを計測しており、中膜全体を含んでいません。中膜の大部分が含まれていないため誤りです。正しくは:内膜-内腔境界から中膜-外膜境界までを計測するべきです。選びやすい理由:高輝度線の一部を内膜と勘違いして、そのすぐ下から計測してしまう可能性があります。混同注意:内膜-内腔境界と中膜-外膜境界の見分け。
- 3. 正解。内膜-内腔境界から中膜-外膜境界までの距離を正しく計測しており、内中膜複合体厚(IMT)の定義に合致しています。
- 4. 選択肢4は内膜-内腔境界よりも深い位置から計測を開始しており、外膜の一部まで含んでいる可能性があります。IMTは中膜-外膜境界までであるべきです。正しくは:内膜-内腔境界から中膜-外膜境界までを計測するべきです。選びやすい理由:血管壁全体を厚みとして捉えようとし、測定範囲が広くなりすぎる可能性があります。混同注意:IMTと血管壁全体の厚み。
- 5. 選択肢5は血管壁全体、もしくは外膜とその周囲の組織までを計測している可能性があり、内中膜複合体厚の定義から逸脱しています。正しくは:内膜-内腔境界から中膜-外膜境界までを計測するべきです。選びやすい理由:血管壁を広くとらえすぎて、その外側の組織まで含めて計測してしまう可能性があります。混同注意:血管壁全体の厚み、あるいは周囲組織を含めた計測。
国試ポイント
頸動脈IMTの計測原理と正しい計測部位を理解しているか。
混同注意
IMT計測とプラークの計測を混同しやすい。プラークはIMTが1.5mm以上、または周囲のIMTより0.5mm以上厚い限局性隆起を指し、その計測は厚さや範囲を評価します。
次に同じ論点が出たら
頸動脈超音波検査の画像でIMTの計測を問われた場合は、血管内腔側の内膜と、中膜外膜境界の高輝度線の間を計測しているかを確認します。
関連知識
IMTは動脈硬化の早期指標として用いられ、正常値は年齢や性別によって異なりますが、一般的に1.0mm以上で肥厚と判断されることが多いです。また、計測部位は総頸動脈遠位部、分岐部、内頸動脈などがあり、標準的な計測部位は心臓から2〜3cm中枢側の総頸動脈後壁が推奨されます。