下腹部正中横走査と右縦走査による女性骨盤腔の超音波像(別冊No. 7)を別に示す。矢印で示すのはどれか。

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出典:厚生労働省ホームページ(第69回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
下腹部正中横走査と右縦走査の超音波画像において、子宮の側方(子宮広間膜内)に位置し、内部に液体貯留を伴う小嚢胞(卵胞)が複数観察される構造は卵巣である。特に成熟期の女性ではこのような卵胞が明瞭に描出される。
選択肢ごとの解説
- 1. 腟は子宮頸部の尾側に位置し、通常この描出位置ではない。また、超音波上は線状のエコーとして描出されることが多い。正しくは:腟は子宮頸部の下方に位置する管状構造である。選びやすい理由:膀胱、子宮、卵巣などが密集する骨盤腔内で、類似のエコーパターンを持つ他の構造と混同しやすい。混同注意:子宮頸部や膀胱頸部など、下腹部の他の管状構造。
- 2. 子宮は膀胱の背側に位置し、洋ナシ形や扁平な紡錘形のエコー像として描出されるが、矢印が示す構造とは異なる。正しくは:子宮は膀胱の後方に位置し、特徴的な形状を持つ。選びやすい理由:骨盤腔内の主要な臓器であり、多くの学生がまず検討する選択肢であるため。混同注意:卵巣や腸管の一部など、子宮周囲の臓器。
- 3. 直腸は子宮の後方に位置し、消化管特有の層構造や内容物によるエコーパターンを示すことが多い。この画像での矢印の所見とは異なる。正しくは:直腸は子宮のさらに後方に位置する消化管の一部である。選びやすい理由:骨盤腔内の後方に位置する臓器として考慮される可能性があるため。混同注意:子宮後壁やダグラス窩の液体貯留など、子宮後方の構造。
- 4. 膀胱は前方に位置し、尿が充満している場合は無エコーの液貯留として描出される。矢印の構造とは位置もエコーパターンも異なる。正しくは:膀胱は骨盤腔の最も前方に位置し、内部は無エコーである。選びやすい理由:骨盤腔の超音波検査では、膀胱を充満させて検査することが一般的であるため、まず目に入る構造の一つ。混同注意:膀胱周囲の結合組織や腸管。
- 5. 正解。矢印は子宮の外側に位置し、内部に卵胞を示唆する低エコーの小嚢胞が複数見られることから、卵巣に特徴的な超音波像である。
国試ポイント
女性骨盤腔の超音波画像において、主要な臓器(子宮、卵巣、膀胱、腟、直腸など)の解剖学的位置関係とそれぞれの超音波的特徴を正確に識別できるか。特に卵巣の正常像と、その中に見られる卵胞を判別できるかが問われる。
混同注意
子宮筋腫、傍卵巣嚢胞、腸管の一部、リンパ節など、卵巣と類似したエコーパターンや位置に見える可能性のある構造。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出た場合、まず子宮、膀胱などの明確なランドマークを特定し、その周囲にある構造の特徴的なエコーパターン(嚢胞性、充実性、層構造など)や位置関係から判断する。特に卵巣は卵胞の有無が重要な手がかりとなる。
関連知識
子宮、卵巣、膀胱の解剖学的知識。経腹・経腟超音波検査におけるそれぞれの臓器の標準的な描出法とエコーパターン。卵巣の周期的な変化(卵胞の発育、排卵、黄体形成)に伴う超音波所見の変動。