鉄代謝で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第69回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
食事由来の鉄は、主に十二指腸から空腸にかけての小腸上部で吸収されます。これは鉄代謝における消化吸収の基本経路です。
選択肢ごとの解説
- 1. 血清鉄は日内変動を示し、一般的に朝方に高く、夕方にかけて低くなる傾向があります。正しくは:血清鉄の濃度は、夕方に比べて朝方に高くなる傾向があります。選びやすい理由:日内変動があることは知っているが、具体的な高低のパターンを混同している可能性がある。混同注意:他のホルモンや物質の日内変動パターンと混同しやすい。
- 2. 正解。食事由来の鉄は、消化管の中でも特に十二指腸を中心とする小腸上部で吸収されます。これは鉄代謝の基本的な知識です。
- 3. 血清中で鉄を運搬する主要なタンパク質はトランスフェリンです。セルロプラスミンは銅を運搬するタンパク質であり、鉄の酸化に関与しますが、直接的な鉄運搬体ではありません。正しくは:血清中では、鉄は主にトランスフェリンと結合して運搬されます。選びやすい理由:セルロプラスミンが鉄代謝と関連することは正しいので、結合運搬体と誤解しやすい。混同注意:トランスフェリン(鉄運搬)、フェリチン(鉄貯蔵)、ヘモシデリン(鉄貯蔵)、セルロプラスミン(銅運搬、鉄酸化)の役割を混同しやすい。
- 4. ヘモグロビン中の鉄は、酸素と結合できる2価の状態(フェロ鉄)です。3価の鉄(フェリ鉄)は酸素運搬能力がありません(メトヘモグロビン)。正しくは:ヘモグロビン中の鉄は、2価の状態(フェロ鉄)です。選びやすい理由:鉄には2価と3価があること、酸化状態によって機能が変わることは知っているが、ヘモグロビン中の具体的な状態を誤解しやすい。混同注意:2価鉄(Fe2+)と3価鉄(Fe3+)の役割や存在場所(ヘモグロビン、トランスフェリン、フェリチンなど)を混同しやすい。
- 5. 鉄欠乏性貧血では体内の鉄が不足するため、トランスフェリンが利用できる鉄が少なくなり、結果としてUIBC(トランスフェリンの鉄結合部位のうち鉄と結合していない部分)は増加します。正しくは:鉄欠乏性貧血では、不飽和鉄結合能(UIBC)が増加します。選びやすい理由:貧血であることから全体的に低下すると誤解しやすい。また、総鉄結合能(TIBC)とUIBCの関係を正確に理解していない場合に間違えやすい。混同注意:血清鉄、TIBC、UIBC、トランスフェリン飽和度(TSAT)のそれぞれの意味と、鉄欠乏性貧血や慢性炎症性貧血での変動パターンを混同しやすい。
国試ポイント
鉄代謝の基本的な経路(吸収、運搬、貯蔵、排泄)、関連するタンパク質(トランスフェリン、フェリチン、ヘモグロビンなど)の機能、および鉄欠乏性貧血やその他の疾患における検査値の変動パターンを正確に理解しているかを問う問題です。特に、各物質の役割と、Fe2+とFe3+の状態の区別が重要になります。
混同注意
鉄運搬体と貯蔵体、2価鉄と3価鉄の生理的役割、および鉄代謝関連検査値(血清鉄、TIBC, UIBC, フェリチン)の疾患時の変動パターン。
次に同じ論点が出たら
鉄代謝の図を思い浮かべ、鉄がどの臓器で、どの形態で、どのタンパク質と結合して移動・貯蔵されているかを辿れるか。また、各疾患でどの検査値がどのように変動するかを説明できるか。
関連知識
鉄の吸収メカニズム(ヘム鉄、非ヘム鉄)、ヘプシジンによる鉄吸収調節、メトヘモグロビンの生成メカニズム、鉄貯蔵タンパク質(フェリチン、ヘモシデリン)の機能。