脱水時にみられるのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第63回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2・4番
解説
脱水状態では、体液量を維持するために生体内の様々な調節機構が働きます。腎臓での水分の再吸収が促進され(バソプレッシンやアルドステロンの作用)、尿量は減少します。また、有効循環血液量の減少を感知してレニン-アンジオテンシン-アルドステロン系が活性化され、アルドステロン分泌が亢進します。
選択肢ごとの解説
- 1. 脱水時は循環血液量が減少するため、心拍出量が低下し、通常は血圧が低下します。正しくは:血圧の低下選びやすい理由:重度の脱水でショック状態になると血圧が著しく低下するため、軽度の脱水では代償機構により一時的に血圧が維持されると考えるかもしれませんが、全体的な傾向は低下です。混同注意:循環血液量減少による代償機構としての交感神経活動亢進が末梢血管抵抗を一時的に上昇させる可能性と混同するかもしれません。
- 2. 正解。脱水時は体内の水分を保持しようとするため、腎臓からの水分の排泄を抑制し、尿量が減少します。
- 3. 脱水による有効循環血液量および腎血流量の減少は、傍糸球体装置からのレニン分泌を促進します。正しくは:レニン分泌の亢進選びやすい理由:体液量減少に伴い、体内の他のホルモン分泌が抑制されるものもあるため、レニンも同様に低下すると誤解するかもしれません。混同注意:レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系のフィードバック制御の方向性と混同するかもしれません。
- 4. 正解。脱水によりレニン-アンジオテンシン系が活性化され、その結果アンジオテンシンIIが増加し、副腎皮質からのアルドステロン分泌が亢進します。アルドステロンは腎臓でのNa+と水の再吸収を促進し、体液量維持に働きます。
- 5. 脱水により血漿浸透圧が上昇したり、有効循環血液量が減少したりすると、下垂体後葉からのバソプレッシン(抗利尿ホルモン)分泌が亢進し、腎臓での水再吸収を促進して体液量を維持しようとします。正しくは:バソプレッシン分泌の亢進選びやすい理由:体液量減少に伴うホルモン変動が複雑なため、単純に分泌が低下すると誤解するかもしれません。混同注意:利尿作用のある他のホルモンとの混同や、バソプレッシンが「抗利尿」作用を持つことの理解不足と混同するかもしれません。
国試ポイント
脱水時の生体反応、特にホルモンの分泌動態とそれが引き起こす生理的変化について理解しているかが問われています。レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系とバソプレッシン(抗利尿ホルモン)の役割が重要です。
混同注意
各ホルモンの分泌亢進/低下の方向性と、それぞれのホルモンが体液量や血圧に与える影響を混同しやすいです。特に、バソプレッシン(抗利尿ホルモン)とレニン-アンジオテンシン-アルドステロン系は体液量調節において密接に関連しており、どちらも脱水時に分泌が亢進する点に注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
この問題が解ければ、体液量と血圧の調節に関わる主要なホルモン(レニン、アンジオテンシン、アルドステロン、バソプレッシン)の脱水時における動態とその結果としての生理的変化(尿量、血圧)を理解していると判断できます。さらに踏み込むには、これらのホルモンが他の病態(例:高血圧、腎不全)でどのように変動するか、あるいは体液過剰時の反応も問われる可能性があります。
関連知識
レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系、バソプレッシン(抗利尿ホルモン)の作用機序、血圧・体液量調節に関わるその他のホルモン(心房性ナトリウム利尿ペプチドなど)、脱水の分類と症状。