4℃の血清保存で不安定なアイソザイムはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第63回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
LD5(LDH-5)は、LDHアイソザイムの中でも特に熱に弱く、冷蔵保存(4℃)でも比較的速やかに活性が低下することが知られています。そのため、LD5の測定においては、検体採取後速やかに測定するか、凍結保存が推奨されます。他の選択肢のアイソザイムは、4℃保存である程度の期間は安定性が保たれます。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。LD5(LDH-5)は熱に弱く、4℃のような低温でも酵素活性が比較的早く失われやすいアイソザイムです。特に冷蔵保存では数日で活性が低下し始め、測定値が不正確になる可能性があります。そのため、LDHアイソザイムの測定では、速やかに測定するか、凍結保存が推奨されます。
- 2. ALP(アルカリホスファターゼ)のアイソザイムであるALP2(肝型ALP)は、4℃での保存に対して比較的安定しています。ただし、ALP全体としては、測定に影響を与える要因(例:溶血)には注意が必要です。正しくは:ALP2は4℃で比較的安定なアイソザイムです。選びやすい理由:一般的な酵素は低温で安定しているという誤解から、LDHも同様に安定していると考えてしまうかもしれません。混同注意:他のアイソザイムの安定性や、酵素全般の保存条件と混同しやすいです。
- 3. c-AST(細胞質型AST)は、AST(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ)のアイソザイムの一つで、血清中では比較的安定しており、4℃保存でも活性の低下はゆるやかです。しかし、AST自体が溶血の影響を受けやすい酵素である点には注意が必要です。正しくは:c-ASTは4℃で比較的安定なアイソザイムです。選びやすい理由:肝逸脱酵素であるため、病態との関連から不安定であると誤解する可能性があります。混同注意:ミトコンドリア型AST(m-AST)との違いや、ASTの他の側面(溶血の影響など)と混同しやすいです。
- 4. CK-MMはCK(クレアチンキナーゼ)の主要なアイソザイムで、骨格筋由来です。血清中での安定性は比較的良好で、4℃保存でも短期間であれば活性は保たれます。ただし、CK全般として、光の影響や長期保存には注意が必要です。正しくは:CK-MMは4℃で比較的安定なアイソザイムです。選びやすい理由:CKが熱不安定な性質を持つ酵素であるため、アイソザイムもすべて不安定であると誤解する可能性があります。しかし、特にCK-BBは不安定ですが、CK-MMは比較的安定です。混同注意:CKの他のアイソザイム(特にCK-BB)の安定性や、CKの一般的な保存条件と混同しやすいです。
- 5. 唾液腺型アミラーゼは、血清アミラーゼのアイソザイムの一つであり、4℃での保存に対して比較的安定しています。アミラーゼ全体として、長期保存には凍結が推奨されるものの、短期間の冷蔵保存であれば活性は維持されます。正しくは:唾液腺型アミラーゼは4℃で比較的安定なアイソザイムです。選びやすい理由:消化酵素であるため、生体内での速い代謝回転から、体外でも不安定であると誤解する可能性があります。混同注意:膵型アミラーゼとの違いや、アミラーゼの一般的な保存条件と混同しやすいです。
国試ポイント
酵素アイソザイムの特性、特に保存安定性に関する知識が問われています。各酵素の主要なアイソザイムが、どの程度の温度でどのように安定または不安定になるかを理解していることが重要です。特にLDHアイソザイムは、熱安定性に関して頻繁に問われる項目です。
混同注意
酵素全般は低温で安定するという一般的な認識と、特定のアイソザイムの特異的な不安定性を混同しやすいです。また、各アイソザイムの由来臓器や病態との関連性に意識が向きすぎて、物理化学的特性(安定性)を見落とすことがあります。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出た場合、各酵素アイソザイムの生理学的役割だけでなく、熱安定性、pH安定性、溶血の影響、長期保存の可否など、検体管理に関する物理化学的特性に注目して選択肢を検討します。
関連知識
LDHアイソザイムの分布(LD1: 心筋、LD2: 心筋・赤血球、LD3: 肺、LD4: 肝臓・骨格筋、LD5: 肝臓・骨格筋)、その熱安定性(LD1,2が比較的安定、LD4,5が不安定)、CKアイソザイム(CK-MM, MB, BB)の分布と安定性(CK-BBが最も不安定)、ALPアイソザイムの分布と特徴、AST/ALTのアイソザイム(c-AST, m-AST)や溶血の影響。