不規則抗体同定検査結果(別冊No. 16A)と使用した試薬の抗原表(別冊No. 16B)を別に示す。可能性の高い不規則抗体はどれか。

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出典:厚生労働省ホームページ(第71回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
不規則抗体同定検査は、複数のパネル細胞(既知の抗原情報を持つ赤血球)に対する患者血清の反応を観察することで、患者血清中に存在する不規則抗体の種類を特定する検査である。提示された同定表では、陽性反応を示したすべての細胞がE抗原を保持しており、陰性反応を示した細胞はE抗原を保持していない。このパターンは抗E抗体によって引き起こされる反応と完全に一致するため、最も可能性が高い不規則抗体は抗E抗体である。
選択肢ごとの解説
- 1. 同定検査結果によると、抗D抗体の反応パターンと一致しないため、可能性は低い。正しくは:同定表でD抗原陽性の赤血球に反応が見られず、D抗原陰性の赤血球に反応が見られる場合は抗D抗体の可能性は低い。選びやすい理由:RH血液型システムの主要な抗体の一つであるため、選択肢として考慮されやすいが、実際の反応パターンと照合する必要がある。混同注意:抗C抗体、抗E抗体など、同じRH血液型システム内の他の抗体と混同しやすい。
- 2. 同定検査結果によると、抗C抗体の反応パターンと一致しないため、可能性は低い。正しくは:同定表でC抗原陽性の赤血球に反応が見られず、C抗原陰性の赤血球に反応が見られる場合は抗C抗体の可能性は低い。選びやすい理由:RH血液型システムの抗体として頻繁に登場するため、選びやすい可能性がある。混同注意:抗D抗体、抗E抗体など、同じRH血液型システム内の他の抗体と混同しやすい。
- 3. 正解。下図の不規則抗体同定検査の結果を見ると、患者血清はE抗原陽性の赤血球にのみ反応し、E抗原陰性の赤血球には反応していない。また、他の抗原(D, C, c, eなど)とのパターンを照合すると、抗E抗体の特異性を示す反応パターンと完全に一致する。特に、抗体価が陽性となっている細胞はすべてE抗原を保有しており、陰性となっている細胞はE抗原を保有していないことから、抗E抗体である可能性が極めて高い。
- 4. 同定検査結果によると、抗c抗体の反応パターンと一致しないため、可能性は低い。正しくは:同定表でc抗原陽性の赤血球に反応が見られず、c抗原陰性の赤血球に反応が見られる場合は抗c抗体の可能性は低い。選びやすい理由:RH血液型システムの抗体は同定検査でよく問われるため、安易に選んでしまう可能性がある。混同注意:抗C抗体、抗e抗体など、RH血液型システムの他の抗体と混同しやすい。
- 5. 同定検査結果によると、抗e抗体の反応パターンと一致しないため、可能性は低い。正しくは:同定表でe抗原陽性の赤血球に反応が見られず、e抗原陰性の赤血球に反応が見られる場合は抗e抗体の可能性は低い。選びやすい理由:抗E抗体と対をなすRH抗体として、選択肢として自然に感じるかもしれない。混同注意:抗E抗体、抗c抗体など、RH血液型システムの他の抗体と混同しやすい。
国試ポイント
不規則抗体同定検査の基本原理と、RH血液型システムにおける主要な抗体(D, C, c, E, e)の抗原発現パターンと反応パターンを正確に理解しているかが問われる。特に、与えられた反応結果から、どの抗体の特異性と合致するかを判別する能力が重要となる。
混同注意
RH血液型システムの抗体は非常に多いため、それぞれの抗原と抗体の反応パターンを混同しやすい。特に大文字と小文字(C/c, E/e)で対になる抗体は間違いやすい。Kell、Duffy、Kiddなどの他の血液型システムの抗体と混同しないように注意が必要である。
次に同じ論点が出たら
次に同様の問題が出た場合、まず陽性反応を示した細胞と陰性反応を示した細胞を分けて特定する。次に、陽性反応を示した細胞すべてが共通して保有している抗原、かつ、陰性反応を示した細胞すべてが保有していない抗原を同定する。この共通する抗原が、患者血清中の不規則抗体の標的抗原である。複数の抗体が検出される場合は、より複雑な解析が必要となる。
関連知識
不規則抗体とは、輸血や妊娠によって産生されるABO式血液型以外の抗体のこと。輸血副作用(溶血性輸血反応)や新生児溶血性疾患の原因となるため、輸血前検査や妊婦健診で同定検査が重要となる。同定検査は、交差反応法と抗原パネルを用いる方法が一般的である。