ビリルビンで正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第71回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
ビリルビンは酸化されると、ヘム分解経路の初期段階で生成されるビリベルジンに戻ります。これは、ビリルビンが二重結合を持つ構造であり、酸化によってビリベルジンのような開鎖テトラピロール構造に戻る性質を持つためです。生体内ではビリベルジンレダクターゼによってビリベルジンからビリルビンへの還元が起こりますが、試験管内などでの酸化条件では逆の反応も起こり得ます。
選択肢ごとの解説
- 1. ビリルビンの極大吸収波長は、主に450nm付近です。520nmは緑色の波長に近く、ビリルビンの色とは異なります。正しくは:ビリルビンの極大吸収波長は、主に450nm付近です。選びやすい理由:特定の色素の波長に関する知識の一部として誤って記憶している可能性がある。混同注意:ヘモグロビン誘導体や他の色素の吸収波長と混同しやすい。
- 2. ビリルビンは4つのピロール環(テトラピロール構造)から構成されており、これらが鎖状に結合しています。ヘムのプロトポルフィリンIX環が分解してできます。正しくは:ビリルビンは4つのピロール環から構成されています。選びやすい理由:構造の一部を指していると誤解しやすい。ヘムの中心構造が4つのピロール環であるため、その分解産物も同様にイメージするかもしれない。混同注意:ピロール環の数と、その結合様式(環状か鎖状か)を混同しやすい。
- 3. 正解。ビリルビンは酸化されるとビリベルジンに戻ります。これは、ビリベルジンがビリルビンに還元される反応(ビリベルジンレダクターゼによる)の逆反応です。緑色のビリベルジンが酸化されてさらに色が変わるのではなく、ビリルビンが酸化されてビリベルジンになるという関係です。正しくは:(正しいため修正不要)選びやすい理由:ビリルビンとビリベルジンの関係性は重要なので、知識があやふやな場合でも選択肢として選びやすい。混同注意:ビリベルジンからビリルビンへの還元反応と、ビリルビンからビリベルジンへの酸化反応の方向性を混同しやすい。
- 4. 間接ビリルビン(非抱合型ビリルビン)は、アルブミンと結合しているため分子量が大きく、また水溶性が低いため、腎臓の糸球体で濾過されず、尿中には排泄されません。尿中に排泄されるのは水溶性の高い直接ビリルビン(抱合型ビリルビン)です。正しくは:間接ビリルビンはアルブミンと結合しているため、尿中には排泄されません。尿中に排泄されるのは水溶性の高い直接ビリルビンです。選びやすい理由:ビリルビンの種類と排泄経路が重要なポイントであるため、どちらかが排泄されるという知識から誤って選択しやすい。混同注意:間接ビリルビンと直接ビリルビンの水溶性、アルブミン結合、そして腎排泄経路を混同しやすい。
- 5. HPLC法におけるビリルビン分画では、直接ビリルビン(抱合型ビリルビン)はβ分画やγ分画として検出されます。α分画は非抱合型ビリルビン(間接ビリルビン)に相当します。δビリルビンはアルブミンに共有結合したもので、HPLCでは検出が困難です。正しくは:直接ビリルビンは、HPLC法ではβ分画やγ分画として検出されます。選びやすい理由:ビリルビンの分画に関する専門的な知識であるため、具体的な分画名とビリルビンの種類を混同しやすい。α、β、γ、δといった分画があることは知っていても、それぞれが何を指すのかがあやふやな場合に選びやすい。混同注意:HPLC法におけるビリルビン各分画(α, β, γ, δ)の対応するビリルビンの種類を混同しやすい。
国試ポイント
本問は、ビリルビンの化学的性質、構造、代謝、分析法に関する基礎知識を総合的に問う問題です。特に、ビリルビンとビリベルジンの相互変換、ビリルビンの種類と水溶性・排泄経路、そして分析法における分画の理解が重要となります。
混同注意
ビリルビンとビリベルジンの構造的・化学的関係性、間接ビリルビンと直接ビリルビンの水溶性と排泄経路、HPLC分画の各成分の名称と対応するビリルビンの種類。
次に同じ論点が出たら
ビリルビンの代謝経路全体図を描けるか、各ステップでの酵素と臓器、そして黄疸の種類ごとのビリルビン分画変動を説明できるかを確認します。
関連知識
ビリルビン代謝経路(ヘム→ビリベルジン→ビリルビン→抱合→排泄)、新生児黄疸、閉塞性黄疸、溶血性黄疸におけるビリルビン分画の変化、HPLC法以外のビリルビン測定法(ジアゾ法など)の原理。