マグネシウムで正しいのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第70回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
EDTAは強力なキレート剤であり、マグネシウムイオンと結合して遊離マグネシウム濃度を低下させるため、EDTA加血漿ではマグネシウムの測定値が低値となる。したがって、マグネシウム測定にはヘパリン加血漿や血清が用いられる。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。EDTAはマグネシウムとキレートを形成し、遊離型マグネシウム濃度が低下するため、測定値は実際よりも低値を示す。正しくは:EDTAはマグネシウムと結合し、測定を妨害するため低値となる。選びやすい理由:EDTAがマグネシウム以外の成分に影響を与えると考えてしまうかもしれない。混同注意:EDTAの抗凝固作用と測定干渉作用の区別が曖昧だと混乱する可能性がある。
- 2. 味覚障害は主に亜鉛欠乏でみられる症状であり、マグネシウム欠乏の主要な症状ではない。マグネシウム欠乏では、筋痙攣、不整脈、神経過敏などが主な症状である。正しくは:亜鉛の欠乏で味覚障害を引き起こす。選びやすい理由:微量元素の欠乏症状が混同されやすい。混同注意:他の微量元素(亜鉛など)の欠乏症状と混同しやすい。
- 3. マグネシウムは主に細胞内液に多く存在する陽イオンであり、細胞外液中の濃度は約1%程度にすぎない。これはカリウムと同様の分布である。正しくは:細胞外液より細胞内液に多く存在する。選びやすい理由:ナトリウムなど、細胞外液に多いイオンと混同してしまう可能性がある。混同注意:ナトリウムやカルシウムなど、他の主要な電解質の体内分布と混同しやすい。
- 4. 血清中のマグネシウムは、約55~60%がイオン型(遊離型)、約30~35%がタンパク質結合型(主にアルブミン)、残りが複合体型(クエン酸やリン酸などと結合)で存在する。90%は高すぎる。正しくは:血清中では約55〜60%がイオン型で存在する。選びやすい理由:カルシウムのイオン型割合と混同するかもしれない。混同注意:血清カルシウムのイオン型割合(約50%)と混同しやすい。
- 5. ホスホリパーゼDを用いた酵素法は、主にリン脂質(特にスフィンゴミエリン)の測定に用いられる。マグネシウムの測定には、キシリジルブルー法や金属発色指示薬を用いた比色法などが一般的である。正しくは:キシリジルブルー法や金属発色指示薬を用いた比色法などにて測定される。選びやすい理由:他の検査項目で酵素法が使われることを知っていると、つい選んでしまいそうになる。混同注意:他の酵素法による測定項目と誤って結びつけてしまう可能性がある。
国試ポイント
本問は、マグネシウムの生体内分布、機能、欠乏症状、測定法、および検体採取時の注意点といった基本的な知識を総合的に問う問題である。特に、EDTAによる測定干渉は他の電解質測定でも重要となるため、しっかりと理解しておく必要がある。
混同注意
亜鉛欠乏による味覚障害、カルシウムの血中存在様式、他の微量元素や電解質の体内分布と混同しやすい。
次に同じ論点が出たら
EDTAがキレート作用を持つことを理解し、どの電解質測定に影響するかを判断できるか。また、各電解質の主要な生体内分布と機能、欠乏症状を区別して認識できるか。
関連知識
マグネシウムの主な生理機能(酵素反応の補因子、神経・筋機能の調整、骨形成など)。低マグネシウム血症の原因と症状(筋痙攣、不整脈、テタニーなど)。高マグネシウム血症の原因と症状(筋力低下、反射低下、呼吸抑制など)。他の電解質(K, Ca, Na)の体内分布と生理作用。