免疫組織化学的マーカーと疾患の組合せで正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第63回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
S100蛋白はメラニン細胞由来の腫瘍である悪性黒色腫の診断において、非常に有用な免疫組織化学的マーカーです。メラニン細胞だけでなく、神経細胞や軟骨細胞などにも発現がみられますが、悪性黒色腫の診断には広く用いられています。
選択肢ごとの解説
- 1. AFPは主に肝細胞癌や卵黄嚢腫瘍の腫瘍マーカーとして知られています。膵臓癌のマーカーではありません。正しくは:AFP (α-フェトプロテイン) - 肝細胞癌選びやすい理由:AFPが消化器系の癌マーカーであるため、膵臓癌と関連付けてしまう可能性があります。混同注意:CEAやCA19-9といった膵臓癌で上昇するマーカーと混同することがあります。
- 2. CA125は主に卵巣癌の腫瘍マーカーとして用いられます。胆嚢癌とは一般的に関連が薄いです。正しくは:CA125 (癌胎児性抗原125) - 卵巣癌選びやすい理由:CA125も消化器系に近い部位の癌マーカーと誤解しやすいです。混同注意:胆嚢癌ではCA19-9やCEAが用いられることがあり、それらと混同する可能性があります。
- 3. CEAは消化器系癌(大腸癌、胃癌など)や肺癌の腫瘍マーカーとして広く使われます。骨肉腫の特異的なマーカーではありません。正しくは:CEA (癌胎児性抗原) - 大腸癌選びやすい理由:CEAが非常に有名な腫瘍マーカーであるため、多くの癌に適用できると誤解する可能性があります。混同注意:骨肉腫のマーカーとしてはALP(アルカリホスファターゼ)が上昇することがあり、これと混同する可能性があります。
- 4. c-kit (CD117) は消化管間質腫瘍(GIST)や肥満細胞腫、急性骨髄性白血病などで陽性となるマーカーです。髄芽腫では通常陽性とはなりません。正しくは:c-kit (CD117) - 消化管間質腫瘍 (GIST)選びやすい理由:c-kitが特定の悪性腫瘍の治療標的としても注目されるため、他の脳腫瘍と関連付けてしまう可能性があります。混同注意:髄芽腫の診断には他の神経細胞マーカー(例: シナプトフィジン、ニューロン特異的エノラーゼなど)が用いられます。これらと混同する可能性があります。
- 5. 正解。S100蛋白は神経組織やメラニン細胞に由来するタンパク質で、悪性黒色腫の診断や予後評価において重要な免疫組織化学マーカーです。混同注意:S100蛋白はシュワン細胞腫や神経鞘腫など神経系の腫瘍でも陽性となるため、それらと区別して覚える必要がありますが、悪性黒色腫との関連は非常に強いです。
国試ポイント
この問題は、主要な腫瘍マーカーとそれに対応する疾患(特に免疫組織化学的診断に用いられるもの)の知識を問うものです。各マーカーの特異性と関連疾患を正確に把握しているかが重要です。
混同注意
各腫瘍マーカーは複数の疾患で上昇する可能性があるため、最も代表的かつ診断に有用な関連疾患を覚えることが重要です。特に消化器系マーカー(AFP, CEA, CA19-9, CA125)は混同しやすいため注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出た場合、各腫瘍マーカーが「どの臓器由来の腫瘍」や「どの細胞に特徴的か」という視点で判断できるかを確認します。
関連知識
・AFP: 肝細胞癌、卵黄嚢腫瘍 ・CA125: 卵巣癌 ・CEA: 大腸癌、胃癌、肺癌など ・c-kit (CD117): 消化管間質腫瘍 (GIST)、肥満細胞腫、急性骨髄性白血病 ・S100蛋白: 悪性黒色腫、シュワン細胞腫、神経鞘腫 その他、重要な免疫組織化学マーカーとして、サイトケラチン(上皮性腫瘍)、CD3/CD20(リンパ腫)、Vimentin(間葉系腫瘍)などがあります。