腎臓の特殊染色標本(別冊No. 10)を別に示す。染色法はどれか。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第63回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
PAM染色は、銀親和性をもつメサンギウム基質や糸球体基底膜(GBM)などのIII型コラーゲンやⅣ型コラーゲン、グリコプロテインを黒く染め出す特殊染色です。画像では糸球体基底膜が黒色に明瞭に染め出されており、この所見はPAM染色に特徴的です。
選択肢ごとの解説
- 1. PAS反応は、多糖類や糖タンパク質、グリコーゲンなどを赤紫色に染めます。糸球体基底膜も赤紫色に染まりますが、画像では黒色に染まっており、PAS反応の所見とは異なります。正しくは:PAS反応であれば、糸球体基底膜は赤紫色に染まる。選びやすい理由:糸球体基底膜を染めるという点で共通しているため、混同しやすいです。混同注意:PAM染色(黒色)とPAS染色(赤紫色)の色調の差。
- 2. azan染色は、結合組織、線維などを青色に染め、核や筋線維を赤色に染めます。画像では、糸球体基底膜が黒色に染まっており、azan染色の所見とは異なります。正しくは:azan染色であれば、膠原線維は青色に、核は赤色に染まる。選びやすい理由:結合組織の評価に用いられるため、腎組織の病理検査で一般的に使われる染色法の一つであり、選択肢として考慮されやすいです。混同注意:Masson trichrome染色(膠原線維が青色)と色が似ている点。
- 3. 正解。PAM染色は、銀親和性をもつⅢ型・Ⅳ型コラーゲンやグリコプロテインなどを黒色に染め出します。腎臓の糸球体基底膜やメサンギウム基質が黒く染められている画像所見は、PAM染色に特徴的です。選びやすい理由:PAMは腎臓病理で非常に重要な染色法であるため、よく出題されます。混同注意:特に混同しやすいものはありませんが、PAS染色との区別が重要です。
- 4. Masson trichrome染色は、膠原線維を青色に、筋線維を赤色に染めます。画像では、糸球体基底膜が黒色に染まっており、Masson trichrome染色の所見とは異なります。正しくは:Masson trichrome染色であれば、膠原線維は青色に、筋線維は赤色に染まる。選びやすい理由:膠原線維の増生を評価する際に頻繁に用いられる染色法であるため、腎組織の線維化の評価に重要であることから、選択肢として有力に感じられるかもしれません。混同注意:azan染色(青色に染まる成分が共通)との混同。
- 5. elastica van Gieson染色(EVG染色)は、弾性線維を黒褐色〜紫黒色に、膠原線維を赤色に、筋線維を黄色に染めます。腎臓では血管壁の弾性線維の評価に用いられますが、画像では糸球体基底膜が黒色に染まっており、EVG染色の所見とは異なります。正しくは:elastica van Gieson染色であれば、弾性線維が黒褐色〜紫黒色に、膠原線維が赤色に染まる。選びやすい理由:血管病変の評価に用いられるため、腎臓の病理検査で用いられる特殊染色の一つであり、選択肢として考慮されやすいです。混同注意:PAM染色との区別(どちらも黒く染まるが、染める対象が異なる点。PAMは基底膜、EVGは弾性線維)。
国試ポイント
腎生検組織の特殊染色の特徴的な染まり方を覚えること。特に糸球体基底膜や間質、血管壁などの構成成分が何色に染まるかを理解することが重要です。
混同注意
PAS染色も基底膜を染めますが、赤紫色に染めるため、黒色に染めるPAM染色とは区別できます。また、メサンギウム基質もPAS陽性ですが、PAMの方がより詳細な構造を観察できます。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出題された場合、糸球体基底膜が黒色に染まっているかどうかを確認してPAM染色であると判断します。他の組織成分の染まり方も同時に確認することで確実性を高めます。
関連知識
腎疾患の診断においては、PAS、PAM、Masson trichrome、HeidenhainのAzan、EVGなどの特殊染色が用いられ、それぞれ異なる組織成分を染め出すことで病態把握に貢献します。