酸化還元酵素はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第68回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
LD(乳酸脱水素酵素)は、乳酸をピルビン酸に酸化し、NAD+をNADHに還元する反応を触媒します。この反応は基質からの水素の除去(酸化)と補酵素への水素の付加(還元)を伴うため、LDは酸化還元酵素(EC 1群)に分類されます。
選択肢ごとの解説
- 1. CKは、ATP(アデノシン三リン酸)とクレアチンリン酸の間でリン酸基を転移させる酵素であり、転移酵素に分類されます。正しくは:CKは転移酵素である。選びやすい理由:様々な臨床検査で測定される主要な酵素であるため、選択肢として馴染み深い。混同注意:主要な血中酵素の多くが転移酵素や加水分解酵素であるため、酸化還元酵素と混同しやすい。
- 2. 正解。LDは、乳酸とピルビン酸の間で水素原子をやり取りし、NAD+とNADHの酸化還元反応を触媒する酵素であるため、酸化還元酵素に分類されます。
- 3. ALTは、アラニンとα-ケトグルタル酸の間でアミノ基を転移させる酵素であり、転移酵素に分類されます。正しくは:ALTは転移酵素である。選びやすい理由:肝機能マーカーとして非常に有名であり、他の主要酵素と並んで選択肢に挙がりやすい。混同注意:アミノ基転移酵素は酸化還元酵素ではない。
- 4. ASTは、アスパラギン酸とα-ケトグルタル酸の間でアミノ基を転移させる酵素であり、転移酵素に分類されます。正しくは:ASTは転移酵素である。選びやすい理由:ALTと同様に肝機能マーカーとして極めて重要であり、選択肢として有力に見える。混同注意:アミノ基転移酵素は酸化還元酵素ではない。
- 5. γ-GTは、γ-グルタミル基をペプチドやアミノ酸に転移させる酵素であり、転移酵素に分類されます。正しくは:γ-GTは転移酵素である。選びやすい理由:肝・胆道系酵素として頻繁に測定され、選択肢として見慣れた酵素である。混同注意:様々な転移酵素が存在するため、どの酵素がどの分類に属するか混同しやすい。
国試ポイント
臨床検査で頻繁に測定される主要な酵素が、酵素分類の国際基準(EC分類)のどの群に属するかを問う問題です。各酵素の主要な生化学的機能と、それに対応する分類を正確に理解しているかが重要となります。
混同注意
転移酵素(EC 2群)、加水分解酵素(EC 3群)、リアーゼ(EC 4群)など、他の主要な酵素群と混同しやすいです。特に、アミノ基転移酵素(AST, ALT)やリン酸基転移酵素(CK)など、臨床的に重要な酵素の多くが転移酵素に属するため、注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
この問題で酸化還元酵素を識別できた場合、次に他の主要な酵素(例:アミラーゼ、リパーゼ、ALP、ChEなど)がどの分類に属するかを問う問題にも対応できるかを確認すると良いでしょう。また、各酵素が触媒する具体的な反応を説明できるかどうかも確認ポイントです。
関連知識
国際生化学・分子生物学連合(IUBMB)による酵素命名法(EC分類)では、酵素は触媒する反応の種類に基づいて6つの主要な群に分類されます。1. 酸化還元酵素(Oxidoreductases)、2. 転移酵素(Transferases)、3. 加水分解酵素(Hydrolases)、4. リアーゼ(Lyases)、5. 異性化酵素(Isomerases)、6. リガーゼ(Ligases)。主要な臨床検査酵素がどの群に属するかを理解しておくことが重要です。