Lambert-Beerの法則が成り立つ条件で、15 μmolの物質AをX mLのイオン交換水に溶解し、光路長10 mmのセルで吸光度を測定したところ0.945であった。Aのモル吸光度係数を6.3×10³ L・mol⁻¹・cm⁻¹とするとXはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第68回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
Lambert-Beerの法則A=εbcを用いて、まず溶液のモル濃度cを求めます。A=0.945、ε=6.3×10³ L・mol⁻¹・cm⁻¹、b=10mm=1.0cmを代入すると、c = 0.945 / (6.3×10³ × 1.0) = 0.00015 mol/L となります。次に、物質量nと濃度cから体積Vを計算します。n=15μmol=15×10⁻⁶ molであるため、V = n/c = (15×10⁻⁶ mol) / (0.00015 mol/L) = 0.1 L となります。これをmLに換算すると、0.1 L × 1000 mL/L = 100 mLが導き出されます。
選択肢ごとの解説
- 1. 計算過程で単位変換や数値の扱いに誤りがあると考えられます。特に、モル吸光度係数や物質量の指数、あるいはLとmLの変換を間違えると、このような小さな値になる可能性があります。正しくは:正しい単位変換と計算を行う必要があります。特に光路長(mmからcm)、物質量(μmolからmol)、最終的な体積(LからmL)の変換に注意してください。選びやすい理由:指数計算や単位変換が複雑なため、途中で計算ミスを起こしやすいです。混同注意:別の物質量やモル吸光度係数を用いた計算結果、あるいはLとmLの変換を逆にしてしまうミス。
- 2. 計算過程で単位変換のミス、特にモル吸光度係数や物質量の指数、あるいはLとmLの変換を誤った場合に生じる可能性のある数値です。例えば、最終的なLからmLへの変換(1000倍)を忘れたり、誤った変換係数を用いたりするとこの値になることがあります。正しくは:正しい単位変換と計算が必要です。特に、光路長10mmを1.0cmに、15μmolを15×10⁻⁶molに、そして最終結果をLからmLに正しく変換してください。選びやすい理由:Lでの計算結果が0.1Lなので、これを間違って10mLとしてしまうか、何らかの10倍の誤りを起こしやすいです。混同注意:0.1 Lをそのまま「10」と見てしまう(桁を間違える)か、あるいは15μmolを1.5μmolと誤認するなどのミス。
- 3. 主に物質量やモル吸光度係数の値、あるいは単位変換(特にμmolからmol、LからmL)のいずれかで計算ミスがあった場合に導かれる可能性のある数値です。例えば、モル吸光度係数を6.3×10³ではなく6.3×10²と誤って解釈した場合や、物質量に誤りがあった場合などにこのような結果になることがあります。正しくは:すべての数値と単位が正しく適用されているかを確認し、特に指数部分やLとmLの変換を再確認してください。選びやすい理由:多くの計算ステップがあるため、どこかで係数を誤って処理しやすいです。混同注意:物質量や係数の桁を一つ間違えるなどの計算ミス。
- 4. 正解。Lambert-Beerの法則A=εbcを用いて濃度cを求め、次に物質量n=cVの関係から体積Vを算出します。まず、吸光度A=0.945、モル吸光度係数ε=6.3×10³ L・mol⁻¹・cm⁻¹、光路長b=10mm=1.0cmを代入して濃度cを計算します。c = A / (εb) = 0.945 / (6.3×10³ L・mol⁻¹・cm⁻¹ × 1.0 cm) = 0.00015 mol/L。次に、物質量n=15μmol=15×10⁻⁶ molから体積Vを計算します。V = n / c = (15×10⁻⁶ mol) / (0.00015 mol/L) = 0.1 L。これをmLに換算すると、0.1 L × 1000 mL/L = 100 mLとなります。
- 5. 正しい答えの2倍にあたる値です。計算過程で、どこかの数値(例えば物質量15μmolを30μmolと見なした、あるいは光路長を0.5cmと誤ったなど)を2倍で扱ってしまったり、最終的な体積の計算式で分母と分子を間違えた場合に導かれる可能性があります。正しくは:Lambert-Beerの法則と濃度計算、体積計算の式を正確に適用し、与えられた数値をそのまま使用するようにしてください。選びやすい理由:計算の最後に、例えば半分の体積で溶解したと誤って解釈するなど、倍率に関するミスをしやすいです。混同注意:どこかの係数を2倍と誤認したり、計算式を逆転させたりするミス。
国試ポイント
Lambert-Beerの法則A=εbcを正しく理解し、与えられた情報から必要な値を導出する計算能力が問われています。特に、光路長(mm→cm)、物質量(μmol→mol)、体積(L→mL)といった単位変換を正確に行えるかが重要です。また、指数を含む数値計算をミスなく実行することも求められます。
混同注意
Lambert-Beerの法則の計算式A=εbcを逆に使ってしまうミスや、各項目の単位(L・mol⁻¹・cm⁻¹、mm、μmol、mL)を適切に変換せずに計算を進めてしまうミスが考えられます。特に、光路長をcmではなくmmのまま計算したり、最終的な体積をLからmLへの変換を忘れたりする点が混乱しやすいです。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、まずLambert-Beerの法則の式を正確に想起し、与えられた情報(吸光度、モル吸光度係数、光路長、物質量、体積)がどの変数に対応するかを確認します。特に、全ての単位が統一されているか(例:光路長はcm、体積はL、物質量はmol)をチェックし、必要に応じて変換を行います。その後、計算式に正確に代入し、指数計算や割り算、掛け算を注意深く実行します。
関連知識
Lambert-Beerの法則の基本原理、吸光度・モル吸光度係数・光路長・濃度の関係。物質量と濃度の関係(n=cV)。基本的な単位変換(長さ、体積、物質量)。溶液の調製と希釈計算の基礎。