アミラーゼについて誤っているのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第68回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
膵型アミラーゼと唾液型アミラーゼの分子量はほぼ同程度であり、膵型アミラーゼが唾液型よりも大きいという記述は誤りです。両者の分子量は約50〜60kDaで、糖鎖修飾の違いによる電気泳動パターンや等電点の差異が特徴です。
選択肢ごとの解説
- 1. アミラーゼはデンプンやグリコーゲンなどの多糖類に含まれるα-1,4-グリコシド結合を切断する酵素であり、これは正しい記述です。選びやすい理由:アミラーゼの基本的な機能を示す記述であるため、正しいと判断しやすく、誤りを探す問題では選択肢から外しやすいです。
- 2. アミラーゼの酵素活性は、塩化物イオン(Cl-)によって促進されます。これはアミラーゼの重要な生化学的性質の一つであり、正しい記述です。選びやすい理由:アミラーゼの活性化に必要な補因子に関する知識は重要であり、正しい記述と認識しやすいです。混同注意:他の電解質や金属イオン(例:Na+、K+)と混同することがあるかもしれません。
- 3. アミラーゼは、酵素の構造安定性や触媒活性に不可欠なカルシウムイオン(Ca2+)を持つメタロ酵素であり、これは正しい記述です。選びやすい理由:アミラーゼがカルシウムイオンを必要とすることは比較的よく知られており、正しい記述と判断しやすいです。混同注意:マグネシウムイオン(Mg2+)や亜鉛イオン(Zn2+)など、他の金属イオンを持つ酵素と混同することがあるかもしれません。
- 4. 正解。膵型アミラーゼと唾液型アミラーゼの分子量はほぼ同程度です。唾液型アミラーゼの方が糖鎖付加などによる多型性が大きく、電気泳動パターンが複雑になることがありますが、一般的に分子量に大きな差はありません。むしろ唾液型がわずかに大きいこともあり、「膵臓型の方が大きい」という記述は誤りです。正しくは:膵型アミラーゼと唾液型アミラーゼの分子量はほぼ同じです。選びやすい理由:アミラーゼのアイソザイムに関する詳細な分子量の比較は覚えにくく、漠然とした知識では判断が難しい場合があります。消化器系のイメージから、膵臓型の方が大きいと誤解しやすいかもしれません。混同注意:アミラーゼのアイソザイムごとの電気泳動パターンや、他の酵素の分子量に関する知識と混同することがあります。
- 5. JSCC勧告法など、多くの自動分析装置で用いられるアミラーゼ活性測定法では、アミラーゼが生成するオリゴ糖をさらに他の酵素(例:α-グルコシダーゼ、グルコースオキシダーゼなど)を用いて最終的に発色物質を生成させる共役酵素系が採用されており、これは正しい記述です。選びやすい理由:測定原理は専門的で暗記が求められるため、正誤の判断に迷うことがありますが、共役酵素系は多くの酵素測定で一般的であるため、正しいと判断しやすいでしょう。混同注意:アミラーゼの直接的な基質分解法や、ヨウ素デンプン反応などの古い測定原理と混同することがあります。
国試ポイント
アミラーゼの基本的な生化学的性質(基質特異性、活性化因子、補因子)と、主要なアイソザイム(膵型、唾液型)の比較、そして臨床検査における測定原理に関する知識が問われています。特にアイソザイムの比較では、分子量の違い、電気泳動パターン、生理的意義、診断的意義が頻出です。
混同注意
アミラーゼのアイソザイム間の分子量の差は微妙なため、「ほぼ同等」という認識が重要です。また、他の消化酵素(リパーゼなど)の性質や、他の酵素の活性化因子・補因子との混同にも注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
今後、アミラーゼに関する問題が出た場合は、以下の点に注目して選択肢の正誤を判断しましょう。1. 基質特異性(α-1,4結合、α-1,6結合は分解しない)、2. 活性化因子・補因子(Cl-、Ca2+)、3. 主要な産生臓器(膵臓、唾液腺)、4. アイソザイム(P型、S型)の性質と臨床的意義(分子量、糖鎖、電気泳動パターン、高値を示す疾患)、5. 臨床検査での測定原理(JSCC勧告法、共役酵素系)。
関連知識
アミラーゼはデンプンやグリコーゲンのα-1,4-グリコシド結合を加水分解する消化酵素であり、膵臓や唾液腺から主に分泌されます。血液中のアミラーゼは、急性膵炎や耳下腺炎などの診断に用いられます。アミラーゼアイソザイム(P型、S型)の分画は、病態鑑別において重要です。活性化にはCl-とCa2+が必要であり、Ca2+は酵素構造の安定化にも関与します。JSCC勧告法などの測定法は、アミラーゼが生成するオリゴ糖を共役酵素系(α-グルコシダーゼなど)によりグルコースに変換し、さらにグルコースオキシダーゼなどで発色させる方法が一般的です。