マラリア患者の血液塗抹標本のGiemsa染色に適するバッファーのpHはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第68回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
マラリア原虫の検出に用いられるギムザ染色は、核や細胞質の構造を鮮明に染め分けるために、pH7.2~7.4のリン酸緩衝液が最適とされています。このpH範囲は、原虫の核を赤紫色、細胞質を青色に適切に染色し、同時に赤血球の形態を良好に保つことができます。特に、pH 7.4は、マラリア原虫と赤血球の識別において最も推奨されるpH値の一つです。
選択肢ごとの解説
- 1. pH 6.2は酸性に寄りすぎており、ギムザ染色の好塩基性構造(原虫の核など)の染まりが悪くなる可能性があります。また、赤血球が過度に赤みを帯びて染まる傾向があります。正しくは:ギムザ染色では、中性域に近いpHが望ましいです。選びやすい理由:特異的な染色方法ではpHが重要であると知っているため、具体的な数値を迷う可能性があります。混同注意:他の染色法や微生物の種類によっては、より低いpHが適切な場合があるため、混同しやすいです。
- 2. pH 6.8はやや酸性寄りのため、マラリア原虫の核や細胞質が最適な状態で染色されにくい可能性があります。一般的に、ギムザ染色には中性域が推奨されます。正しくは:ギムザ染色では、中性域に近いpHが望ましいです。選びやすい理由:6.8も生理的なpHに近く感じられるため、正しいと誤解しやすいかもしれません。しかし、マラリア原虫の染色にはもう少し高いpHが推奨されます。混同注意:血液検査の一般的な希釈液や、他の染色法のpHと混同しやすいです。
- 3. 正解。ギムザ染色において、pH 7.2から7.4の範囲は、マラリア原虫の核(赤紫色)と細胞質(青色)を鮮明に染色し、同時に赤血球の変形を最小限に抑えるために最も適しているとされています。このpHは、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)など、細胞の形態を維持しつつ染色を最適化するのに使われます。
- 4. pH 8.0はアルカリ性に寄りすぎているため、マラリア原虫の核構造が適切に染色されにくく、細胞質が過度に青く染まる可能性があります。また、赤血球が溶血しやすくなるなど、細胞の形態が損なわれるリスクがあります。正しくは:ギムザ染色では、中性域に近いpHが望ましいです。選びやすい理由:アルカリ性側で染料の発色が良いと考えることもできますが、原虫と宿主細胞の識別には適切なpHが必要です。混同注意:一部の細菌染色や特殊な細胞染色では、アルカリ性pHが用いられることがあるため、混同しやすいです。
- 5. pH 8.6はかなりアルカリ性が強いため、ギムザ染色の結果が著しく悪化します。原虫の核染色が不十分になり、細胞質が濃い青色に過染されたり、赤血球が破壊されたりする可能性が高くなります。正しくは:ギムザ染色では、中性域に近いpHが望ましいです。選びやすい理由:染色液の安定性や特定の成分の溶解性を考慮して、アルカリ性が選択肢にあると誤解する可能性があります。混同注意:他の特殊な染色法や試薬の調整において、高アルカリ性が要求される場合と混同しやすいです。
国試ポイント
ギムザ染色における適切なバッファーのpH値は、マラリア原虫の検出において非常に重要な要素です。正確な診断のために、原虫の核や細胞質、そして赤血球の形態が最適に染色されるpHを理解しているかどうかが問われています。具体的なpH数値を正確に覚えている必要があります。
混同注意
この問題では、血液塗抹標本の染色で一般的なpH値と、マラリア原虫という特定の病原体検出のための最適なpH値が問われています。他の染色法(例: Wright染色、Romanowsky染色)や、一般的な生理的pH(約7.4)との関連性、あるいは微生物染色における一般的なpH調整の概念と混同しやすいです。特に、pH 6.8などの生理的pHに近い値が選択肢にあるため、迷いやすい可能性があります。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出題された場合、マラリア原虫のギムザ染色における適切なpH範囲(7.2〜7.4)を正確に記憶しているか、また、pHの変動が染色結果にどのような影響を与えるかを理解しているかが問われるでしょう。さらに、ギムザ染色以外の重要な血液検査染色法(例:ライト染色、メイ・ギムザ染色)における最適pHについても問われる可能性があります。
関連知識
ギムザ染色はロマノフスキー染色の変法であり、核酸を強く染色するアズールBと、細胞質を染色するエオシンYなどの混合色素です。pHが低い(酸性)とエオシンが優勢になり赤みが強く、pHが高い(アルカリ性)とアズールBが優勢になり青みが強くなります。マラリア原虫の検出では、核や細胞質の特徴的な染色性を引き出すために、厳密なpH管理が求められます。リン酸緩衝生理食塩水(PBS)は、この目的でよく使用されます。