病理解剖の目的として正しいのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第69回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4・5番
解説
病理解剖の主な目的は、生前の診断の確認、死因の究明、疾患の病態解明、治療効果の評価、そして医学教育や研究への貢献です。選択肢4は治療効果の検証、選択肢5は病死の死因究明という、それぞれ病理解剖の重要な目的を述べています。
選択肢ごとの解説
- 1. 病理解剖は疾病によって変化した病態を調べるものであり、正常な人体の構造や機能の解明は主要な目的ではありません。正しくは:疾病による臓器や組織の変化、病変の有無や程度を明らかにすること。選びやすい理由:解剖と聞くと、人体の構造全般を調べるものだと誤解しやすいかもしれません。混同注意:正常解剖学におけるご献体を用いた解剖実習の目的と混同しやすいです。
- 2. 犯罪との関連が疑われる死体の調査は、法医解剖(司法解剖)の目的であり、病理解剖の目的ではありません。正しくは:疾患が原因で死亡した患者の死因を究明すること。選びやすい理由:「死因究明」という共通の目的から、解剖の種類を区別せずに選びやすいです。混同注意:法医解剖(司法解剖、行政解剖)の目的と混同しやすいです。
- 3. 災害死体の死因究明は、主に法医解剖(行政解剖)の範疇であり、病理解剖の主な目的とは異なります。病理解剖は、特定の疾患による死亡が疑われるケースを対象とします。正しくは:診断された疾患や治療介入が死因にどう影響したかを評価すること。選びやすい理由:「死因究明」という共通のキーワードが含まれるため、病理解剖の広範な目的の一部だと誤解する可能性があります。混同注意:行政解剖やDVI(Disaster Victim Identification)の目的と混同しやすいです。
- 4. 正解。病理解剖は、生前の診断や治療が適切であったか、疾患の進行に対して効果があったかを、病理学的な見地から評価する重要な機会を提供します。
- 5. 正解。病理解剖の最も基本的な目的の一つは、患者の死に至る過程における病態生理を解明し、最終的な死因を正確に確定することです。
国試ポイント
病理解剖、法医解剖(司法解剖・行政解剖)、正常解剖など、様々な種類の解剖の目的と役割を正確に区別できるかが問われています。特に、病理解剖と法医解剖の目的の違いは頻出です。
混同注意
病理解剖(臨床診断の確認、疾患の病態解明、治療効果の評価、死因究明 - 疾病によるもの)、法医解剖(司法解剖:犯罪性の有無、死因究明 - 外因死疑い、身元確認。行政解剖:監察医制度に基づく異状死体の調査、災害死など)、正常解剖(人体構造の学習、医学教育)のそれぞれの目的と対象が混同されやすいです。
次に同じ論点が出たら
同様の論点が出題された場合、まず「どのような状況の死体か」「何を知りたいのか」を明確に把握し、それぞれの解剖の目的と照らし合わせる判断が必要です。特に「病気」がキーワードであれば病理解剖、「犯罪」「事故」「災害」「異状死」などがキーワードであれば法医解剖の可能性が高いと判断します。
関連知識
解剖の種類ごとの定義、目的、実施される状況、主な対象。また、解剖を実施する際の倫理的側面や同意の必要性についても理解しておく必要があります。