ベッドのシーツに付着していた虫体(体長0.4 mm)の写真(別冊No. 1)を別に示す。この虫が引き起こすのはどれか。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第65回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1番
解説
写真で示された体長0.4mmの虫体がヒゼンダニであると判断できる場合、ヒゼンダニは疥癬の原因となるため、疥癬が正しい選択肢となります。ヒゼンダニはヒトの角質層内に寄生し、激しい痒みを伴う皮膚症状を引き起こします。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。体長0.4mmの虫体はヒゼンダニの大きさと一致し、ヒゼンダニは疥癬の原因となります。提示された写真(別冊 No. 1)がヒゼンダニを示している場合、この選択肢が正解です。選びやすい理由:他の選択肢も昆虫やダニが媒介する感染症ですが、虫体の大きさ(0.4mm)と寝具からの検出という状況がヒゼンダニを強く示唆します。混同注意:他の選択肢は、それぞれ異なる媒介動物によって引き起こされるため、虫体の特徴から正しく識別する必要があります。
- 2. ペストはペスト菌による感染症で、主にネズミに寄生するノミによって媒介されます。問題の虫体(0.4mm)はノミとは異なります。正しくは:ペストはノミが媒介する感染症である。選びやすい理由:ノミも比較的小さな昆虫であり、間違う可能性も考えられますが、形態や大きさが異なります。混同注意:ノミは通常、数mm程度の大きさであり、0.4mmの虫体とは異なります。
- 3. 発疹チフスはリケッチアの一種によって引き起こされ、主にヒトのシラミ(コロモジラミ)によって媒介されます。問題の虫体(0.4mm)はシラミとは異なります。正しくは:発疹チフスはシラミが媒介する感染症である。選びやすい理由:シラミも寝具に関連することがありえますが、体長0.4mmは一般的なシラミの大きさと異なります。混同注意:シラミは通常、数mm程度の大きさであり、0.4mmの虫体とは異なります。
- 4. ツツガムシ病はツツガムシの幼虫に刺されることでリケッチアが感染する疾患です。ツツガムシの幼虫は非常に小さいですが、寝具で問題となることは稀です。また、特徴的な刺し口(刺咬痕)を伴うことが多いです。正しくは:ツツガムシ病はツツガムシの幼虫によって媒介される。選びやすい理由:ツツガムシの幼虫も非常に小さいダニですが、寝具での検出は一般的ではなく、環境と疾患の関連を考慮する必要があります。混同注意:ツツガムシは通常、野外でヒトに寄生しますが、寝具で見つかることは稀です。
- 5. 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)はSFTSウイルスによる感染症で、主にマダニによって媒介されます。マダニは通常数mmから吸血後には1cm以上になり、体長0.4mmの虫体とは明らかに異なります。正しくは:重症熱性血小板減少症候群はマダニが媒介する感染症である。選びやすい理由:マダニもダニの一種ですが、サイズが大きく、生息環境も異なります。混同注意:マダニは通常、数mm以上の大きさがあり、0.4mmの虫体とは異なります。また、主に野外での感染が問題となります。
国試ポイント
本問題は、与えられた虫体の特徴(体長、発見場所、写真所見)から、それが何であるかを特定し、その虫体が引き起こす疾患を正確に結びつける知識を問うものです。特に、ヒゼンダニの形態、大きさ、およびそれが媒介する疥癬の理解が重要です。他の選択肢の感染症についても、その病原体と媒介動物(昆虫やダニ)の組み合わせを正しく覚えている必要があります。
混同注意
他の選択肢にある感染症も虫が媒介するものですが、媒介する虫の種類(ノミ、シラミ、ツツガムシ、マダニ)とそれぞれの特徴(特に大きさ)が異なるため、混同しないように注意が必要です。特に、ダニの種類(ヒゼンダニ、ツツガムシ、マダニ)は、大きさや生態が異なるため、正確な知識が求められます。
次に同じ論点が出たら
もし問題に虫体の写真が与えられた場合、その形態的特徴(例えば、脚の数、体節、口器など)から詳細な同定が可能かどうかを検討します。また、発見された環境(寝具、野外など)も虫体特定の重要な手がかりとなります。媒介される病気の疫学的情報も判断材料となります。
関連知識
疥癬には通常の疥癬と角化型疥癬があり、角化型疥癬は感染力が強く、重症化しやすい特徴があります。また、ヒゼンダニの生活環や感染経路(接触感染)についても理解しておくことが重要です。それぞれの媒介動物が引き起こす病気の症状や検査方法についても関連付けて学習すると良いでしょう。