骨髄穿刺液のMay-Giemsa染色標本(別冊No. 14)を別に示す。矢印の細胞が腫瘍化した疾患はどれか。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第68回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
下図の矢印の細胞は、核が細胞の端に寄っており、核周囲に明るい部分(ハロー)が見られ、クロマチンが車輪状に配列しているなど、典型的な形質細胞の形態を示しています。多発性骨髄腫は、形質細胞が骨髄内で悪性化し異常増殖する疾患であるため、正答となります。他の選択肢は、それぞれ異なる細胞系の悪性増殖による疾患であり、画像細胞の形態とは一致しません。
選択肢ごとの解説
- 1. 赤白血病(急性赤芽球性白血病)では、赤芽球系の細胞が骨髄で異常に増殖します。提示された画像は形質細胞の特徴を示しており、赤芽球系細胞とは異なります。正しくは:赤芽球系細胞が異常増殖している。選びやすい理由:急性白血病の一つであり、血液疾患である点から選択肢に入りやすい。混同注意:他の急性白血病と混同しやすい。
- 2. 正解。矢印で示された細胞は、核の偏在、豊富な細胞質、核周囲の淡明帯(ハロー)、クロマチンの車輪状配列などを特徴とする形質細胞です。多発性骨髄腫は、形質細胞が骨髄で腫瘍性に増殖する疾患です。選びやすい理由:形質細胞の形態的特徴を正確に把握していれば、正答にたどり着く。混同注意:形質細胞の成熟段階や、他のリンパ球系細胞との鑑別が難しい場合に迷う。
- 3. Burkittリンパ腫はB細胞性の非ホジキンリンパ腫の一種で、特徴的な形態を持つリンパ芽球の増殖を伴います。画像に示されるのは形質細胞であり、リンパ芽球とは異なります。正しくは:リンパ芽球が異常増殖している。選びやすい理由:悪性リンパ腫の一つであり、血液腫瘍である点から選択肢に入りやすい。混同注意:リンパ腫と骨髄腫の鑑別、あるいは異なる種類のリンパ球系腫瘍の形態的特徴と混同しやすい。
- 4. 急性骨髄性白血病では、骨髄芽球や単芽球などの骨髄系細胞が未熟な状態で異常増殖します。画像は形質細胞であり、骨髄系芽球とは形態が異なります。正しくは:骨髄系芽球が異常増殖している。選びやすい理由:代表的な急性白血病の一つであり、血液疾患である点から選択肢に入りやすい。混同注意:他の急性白血病や、未熟なリンパ系細胞と混同しやすい。
- 5. 急性リンパ性白血病では、リンパ芽球が異常増殖します。画像に示されるのは形質細胞であり、リンパ芽球とは形態的に区別されます。正しくは:リンパ芽球が異常増殖している。選びやすい理由:代表的な急性白血病の一つであり、血液疾患である点から選択肢に入りやすい。混同注意:他の急性白血病や、未熟な骨髄系細胞と混同しやすい。
国試ポイント
本問題は、骨髄像のMay-Giemsa染色標本から特定の細胞(形質細胞)の形態を正確に識別し、その細胞が腫瘍性に増殖する代表的な疾患を関連付けて解答できるかを問う問題です。特に、形質細胞の形態的特徴と、それに関連する疾患である多発性骨髄腫の知識が求められます。
混同注意
形質細胞と、リンパ芽球、骨髄芽球、単球など、他の細胞との形態的鑑別が難しい場合に誤答しやすい。特に、形質細胞腫瘍とリンパ腫の鑑別、あるいは急性白血病の各病型における芽球の形態的特徴の混同が起こりやすい。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、形質細胞の形態的特徴(核の偏在、ハロー、クロマチンパターン)を正確に識別できるか、およびそれがどのような疾患でみられるかを問う問題が予想されます。また、M蛋白や骨病変など、多発性骨髄腫の他の診断的特徴との関連を問う問題も考えられます。
関連知識
・形質細胞の正常な形態と機能、および成熟段階。 ・多発性骨髄腫の病態、診断基準(M蛋白、骨病変など)、およびその他の検査所見。 ・各白血病(急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、赤白血病など)における主要な異常細胞の形態的特徴。 ・骨髄穿刺液のMay-Giemsa染色における各細胞の同定ポイント。