骨髄塗抹標本(別冊No. 13)を別に示す。矢印で示すのはどれか。

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出典:厚生労働省ホームページ(第72回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
矢印で示されている部分は、核の傍に位置し、淡く染まる領域であり、これは好中球系の分化段階である骨髄球以降に観察されるゴルジ装置に相当する。ゴルジ装置は細胞内で合成されたタンパク質や脂質の修飾、濃縮、選別、輸送を行う器官である。
選択肢ごとの解説
- 1. 小胞体は細胞質全体に網目状に広がるが、光学顕微鏡では明瞭な構造として識別しにくい。特に骨髄塗抹標本では、特定の淡染領域として区別されることは稀である。正しくは:小胞体は、粗面小胞体と滑面小胞体に分類され、タンパク質合成、脂質合成、カルシウム貯蔵など多様な機能を持つ。選びやすい理由:細胞質全体に存在する構造であるため、漠然とした知識で選択する可能性がある。混同注意:細胞質内の他の微細構造全般。特にリボソームと混同することがある。
- 2. 正解。矢印は、核の傍に位置する淡染域を指しており、これはゴルジ装置の形態学的特徴と一致する。特に顆粒球系の細胞において、顆粒の成熟・分泌に関わるため、この領域が明瞭に観察される。選びやすい理由:組織学的な知識があれば、特徴的な部位として認識しやすい。混同注意:特に混同しやすいものはないが、他の細胞内小器官の機能と混同する可能性はある。
- 3. リソソームは細胞内の不要な物質を分解する小胞であり、通常は光学顕微鏡で個々の構造として識別することは困難である。アウエル小体として見られることはあるが、矢印の淡染領域とは異なる。正しくは:リソソームは、加水分解酵素を含む膜結合性の小胞であり、細胞内消化に関与する。選びやすい理由:細胞内小器官の一つであるため、知識の曖昧さから選択する可能性がある。混同注意:顆粒(特に好中球顆粒)やミトコンドリアと混同しやすい。
- 4. リボソームはタンパク質合成の場であり、非常に小さく、光学顕微鏡では個々の構造として観察できない。細胞質の好塩基性を与える要因となる。正しくは:リボソームは、リボソームRNAとタンパク質からなる複合体で、タンパク質合成を触媒する。選びやすい理由:タンパク質合成に関わる重要な小器官であるため、漠然とした知識から選択されることがある。混同注意:小胞体(特に粗面小胞体)や細胞質の好塩基性と混同しやすい。
- 5. ミトコンドリアは細胞のエネルギー産生を担う小器官であり、光学顕微鏡では一般的に顆粒状または桿状に見えるが、矢印のような広範囲の淡染領域として観察されることはない。正しくは:ミトコンドリアは、二重膜構造を持ち、クエン酸回路や酸化的リン酸化によりATPを産生する。選びやすい理由:重要な細胞内小器官であるため、知識の曖昧さから選択される可能性がある。混同注意:顆粒やリソソームなど、他の顆粒状構造と混同しやすい。
国試ポイント
骨髄塗抹標本における細胞小器官の形態学的特徴と機能を理解する。
混同注意
小胞体、リソソーム、リボソーム、ミトコンドリアといった他の細胞小器官の形態的特徴との区別が重要である。
次に同じ論点が出たら
骨髄塗抹標本で核の近傍に淡く染まる領域が認められた場合、それがゴルジ装置である可能性を考慮する。
関連知識
ゴルジ装置は好中球の顆粒形成に関与しており、骨髄球以降の細胞で明瞭に観察されることが多い。骨髄塗抹標本では、顆粒球系の幼若な細胞(骨髄球、後骨髄球)において核の凹みに隣接する淡染領域として識別される。