ABO血液型で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第70回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
ABO血液型は、赤血球表面の抗原と血漿中の抗体の有無によって分類される主要な血液型です。この血液型を決定する遺伝子(ABO遺伝子座)は、ヒトの第9染色体長腕(9q34.2)に位置しています。これは血液型遺伝学における基本的な事実であり、他の選択肢に示された情報は誤りです。
選択肢ごとの解説
- 1. 赤血球表面のABO抗原の主要な構成成分は糖脂質(スフィンゴ糖脂質)であり、糖タンパク質ではありません。糖タンパク質としてABO抗原が検出されるのは、主に唾液や胃液などの分泌液中です。正しくは:赤血球上のABO抗原の主成分は糖脂質である。選びやすい理由:唾液などの分泌物中にABO抗原が糖タンパク質として存在するという知識があると、この選択肢を正しいと誤解しやすいです。混同注意:赤血球上の抗原と、分泌液中の抗原の生化学的構造。
- 2. ABO血液型は、ランツタイナーの法則(赤血球上に存在する抗原に対応する抗体は血漿中に存在せず、赤血球上に存在しない抗原に対応する抗体は血漿中に存在する)に厳密に従います。例えば、A型の人には抗B抗体が、B型の人には抗A抗体が存在します。正しくは:Landsteinerの法則に従う。選びやすい理由:まれな例外(例:cis-AB型)や、新生児期に抗体が未発達な状況を想起し、法則に従わないと誤解する可能性があります。しかし、一般原則としては適用されます。混同注意:ABO血液型における抗原と抗体の関係の基本原則。
- 3. 正解。ABO血液型を決定する遺伝子(ABO遺伝子座)は、ヒトの第9染色体の長腕(9q34.2)に位置しています。これはABO血液型の遺伝学的な基本情報です。
- 4. 日本人のABO血液型分布において、抗A抗体を持つのはB型(約20%)とO型(約30%)の人々です。これらを合わせると、日本人の約50%が抗A抗体陽性となります。したがって、「約20%」という記述は誤りです。正しくは:日本人の約50%が抗A陽性である。選びやすい理由:日本人のB型の割合が約20%であるため、B型が抗A抗体を持つことから、この数値をB型の割合と混同して正しいと誤解する可能性があります。混同注意:日本人のABO血液型分布の各割合と、特定の抗体を持つ人口の割合。
- 5. ABO抗原は胎生期から発現しますが、赤血球1個あたりの抗原発現量は出生時には少なく、最も多くなるのは生後2〜4歳頃で、その後は安定したレベルを保ちます。正しくは:赤血球1個当たりの抗原量は生後2〜4歳頃に最も多い。選びやすい理由:何か特定の時期に抗原量が変化するという知識はあっても、そのピークが出生時ではないことを正確に覚えていないと、誤って選びやすいかもしれません。混同注意:新生児のABO抗原発現の弱さと、成人レベルでの抗原発現量。
国試ポイント
ABO血液型に関する基礎的な知識が問われています。具体的には、抗原の生化学的性質、Landsteinerの法則の適用、遺伝子の染色体上の位置、日本人の血液型分布と抗体保有率、そして抗原発現量の年齢による変化について、正確な理解が求められます。
混同注意
ABO抗原の生化学的構造(糖脂質と糖タンパク質の違い)、Landsteinerの法則の厳密な適用、特定の血液型グループの割合と抗体保有者の割合の混同、新生児期の抗原発現の弱さと成人期のピーク時期。
次に同じ論点が出たら
次回同じ論点が出題される場合、ABO抗原の生合成経路(H抗原からの変換)、H遺伝子座やSe遺伝子座の関与、または稀なABO血液型(Aサブグループ、cis-AB型、ボンベイ型など)に関する知識が問われる可能性があります。また、輸血検査時のABO血液型判定の注意点や、ABO不適合輸血のリスク管理など、臨床応用的な知識も重要になります。
関連知識
ABO血液型抗原は、H抗原を基盤として、A転移酵素またはB転移酵素の作用によって合成されます。H遺伝子座(第19染色体)もABO血液型物質の発現に深く関与しており、H抗原が存在しなければA抗原やB抗原は発現しません(ボンベイ型)。また、分泌型(Se遺伝子)も第19染色体上にあり、ABO抗原が唾液などの分泌液中に存在するかどうかを決定します。