遅発性溶血性輸血反応の原因となるのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第70回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
遅発性溶血性輸血反応は、過去に輸血や妊娠によって感作された患者が、再度同じ抗原を持つ血液を輸血された際に、記憶免疫が急速に活性化され抗体価が上昇することで発生します。この反応は主にIgG抗体によって引き起こされ、キッド式血液型(Jk)抗体は、その抗体価が低下しやすく、交差適合試験では検出されにくい特性があるため、遅発性溶血性輸血反応の主要な原因として知られています。他にもRh、Duffy、Kell抗体などが原因となることがあります。
選択肢ごとの解説
- 1. 抗A抗体はABO式血液型不適合による即時型溶血性輸血反応の主要な原因であり、通常はIgM抗体で血管内溶血を引き起こします。遅発性溶血性輸血反応の主な原因ではありません。正しくは:遅発性溶血性輸血反応の原因となるのは、輸血後に抗体産生が促進され、数日後に溶血を引き起こす免疫グロブリンG (IgG) クラスの抗体であることが多いです。選びやすい理由:抗体であり輸血反応を引き起こすという点で、安易に選んでしまう可能性があります。混同注意:即時型溶血性輸血反応の原因抗体と遅発性溶血性輸血反応の原因抗体を混同している可能性があります。
- 2. 正解。抗Jk抗体(特に抗Jka、抗Jkb)はキッド式血液型抗体であり、IgGクラスの抗体で、輸血後の抗体価の急激な上昇(アナムネ反応)を特徴とします。これは遅発性溶血性輸血反応の主要な原因の一つであり、時に重篤な症状を引き起こすことがあります。
- 3. 抗Le抗体はルイス式血液型に関連する抗体で、通常は冷式反応性(低温で反応する)のIgM抗体です。赤血球表面に直接結合することは少なく、血漿中に存在します。臨床的には軽度の輸血反応を引き起こす可能性はありますが、遅発性溶血性輸血反応の主要な原因とはみなされません。正しくは:遅発性溶血性輸血反応の原因となるのは、通常、37℃で反応し、輸血された赤血球を攻撃するIgGクラスの抗体です。選びやすい理由:血液型抗体の一種であり、まれに輸血反応に関与すると考えるかもしれません。混同注意:臨床的意義の低い抗体と、遅発性溶血性輸血反応を引き起こす臨床的意義の高い抗体を混同している可能性があります。
- 4. 抗N抗体はMNS式血液型に関連し、通常は冷式反応性のIgM抗体で、臨床的意義は低いとされています。遅発性溶血性輸血反応の主要な原因ではありません。正しくは:遅発性溶血性輸血反応の原因となる抗体は、通常37℃で反応し、IgGクラスです。選びやすい理由:血液型抗体であるため、輸血反応全般に関わる抗体だと誤解する可能性があります。混同注意:冷式抗体と温式抗体、臨床的意義の低い抗体と高い抗体を混同している可能性があります。
- 5. 抗Xg抗体はXg式血液型に関連する非常に稀な抗体で、その臨床的意義は極めて低いとされています。溶血性輸血反応の原因となることはほとんどありません。正しくは:遅発性溶血性輸血反応の原因となるのは、臨床的に重要であり、溶血を引き起こす能力のある抗体です。選びやすい理由:血液型抗体であるという事実だけで選んでしまう可能性があります。混同注意:全ての血液型抗体が臨床的に同等の意義を持つという誤解があるかもしれません。
国試ポイント
輸血反応の種類(即時型と遅発型)と、それぞれの主な原因となる血液型抗体およびその特性(IgM/IgG、臨床的意義)を正確に理解しているかが問われます。特に、キッド(Jk)抗体が遅発性溶血性輸血反応の代表的な原因であることが頻出です。
混同注意
即時型溶血性輸血反応の原因抗体(例: ABO不適合)と遅発型溶血性輸血反応の原因抗体、および臨床的意義が低い抗体(例: ルイス、MNSの一部)が混同されやすいです。
次に同じ論点が出たら
次に類似の問題が出た場合、IgGクラスで、交差適合試験で検出されにくく、輸血後に抗体価が急上昇しやすい血液型抗体(特にKidd、Rh、Duffy、Kell)が選択肢に含まれていないかを確認します。
関連知識
輸血反応の分類(溶血性、非溶血性発熱性、アレルギー性など)、各輸血反応の症状、治療法、予防法。不規則抗体スクリーニングの重要性、アナムネ反応。