虚血性心疾患の三次予防はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第65回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
三次予防とは、すでに発症した疾患の進行を遅らせ、合併症を防ぎ、再発を予防するとともに、機能回復や社会復帰を支援する段階を指します。虚血性心疾患を発症した患者が職場に復帰する際に、その病状や身体能力に合わせた職務に配置することは、疾患の再発を予防し、心身への負担を軽減することで、社会生活の質の維持・向上を図るための重要な支援策であり、三次予防の典型的な例です。他の選択肢は、疾患の発症を未然に防ぐ一次予防、または早期発見・早期治療を目的とする二次予防に分類されます。
選択肢ごとの解説
- 1. 分煙対策は、喫煙による健康リスクを低減し、虚血性心疾患の発症を予防するための一次予防に該当します。発症前のリスク因子への介入です。正しくは:これは一次予防(発症前からの疾患予防)に該当します。選びやすい理由:健康増進活動の一部であり、予防という言葉から選択肢として魅力的に見えるかもしれませんが、疾患の「発症前」の段階の予防です。混同注意:一次予防と三次予防の区別が曖昧な場合、予防全般と捉えてしまう可能性があります。
- 2. 特定保健指導は、メタボリックシンドロームの該当者や予備群に対して行われ、生活習慣病の発症を予防、または重症化を予防することを目的としています。虚血性心疾患の「発症前」のリスク因子(高血圧、脂質異常症、糖尿病など)に対する介入であり、一次予防または二次予防の段階にあたります。正しくは:これは一次予防(発症前からの疾患予防)または二次予防(早期発見・早期治療)に該当します。選びやすい理由:「指導」という言葉から、治療後のサポートと誤解するかもしれませんが、これは疾病の発症や重症化を未然に防ぐための指導です。混同注意:「予防」という言葉から広く解釈してしまいがちですが、疾患が発症する前、あるいは発症しても重症化する前の段階への介入です。
- 3. ストレスチェックは、労働者のメンタルヘルス不調を未然に防ぐことを目的としています。ストレスは虚血性心疾患のリスク因子の一つではありますが、疾患が発症する前段階のリスク管理に該当するため、一次予防に分類されます。正しくは:これは一次予防(発症前からの疾患予防)に該当します。選びやすい理由:ストレス管理は心疾患予防に重要であるため、予防活動として選んでしまいやすいですが、疾患が発症する前の段階の予防です。混同注意:健康管理全般を予防と捉える場合、一次予防と三次予防の区別がつきにくくなります。
- 4. 食事バランスガイドは、健康的な食生活を実践し、生活習慣病の予防や健康増進を図るためのものです。虚血性心疾患のリスク因子(高血圧、脂質異常症など)を低減し、発症を予防する目的であるため、一次予防に該当します。正しくは:これは一次予防(発症前からの疾患予防)に該当します。選びやすい理由:健康的な生活習慣はあらゆる予防の基本であるため、選択肢として非常に魅力的に見えますが、疾患が発症する前の段階の予防です。混同注意:生活習慣改善がどの予防段階に属するかを混同しやすいです。これは発症前の健康増進に当たります。
- 5. 正解。三次予防は、すでに発症した疾患の進行を抑制し、再発を防止し、社会復帰や機能回復を支援することを目的とします。虚血性心疾患を発症した人が職場復帰する際に、その病状に応じて無理なく働けるよう職務を調整することは、再発予防やQOL向上に繋がるため、三次予防に該当します。選びやすい理由:これは治療後のリハビリテーションや社会復帰支援であり、病気の「再発防止」や「生活機能の回復」に焦点を当てているため、三次予防の定義に最も合致します。
国試ポイント
本問題は、疾患の一次予防、二次予防、三次予防の概念を正しく理解しているかを問うものです。特に、三次予防が「発症後の再発防止、重症化予防、機能回復、社会復帰支援」であることを明確に区別できるかがポイントとなります。各予防段階の具体例を正確に把握しておく必要があります。
混同注意
一次予防(発症前からの疾患予防)、二次予防(早期発見・早期治療)、三次予防(発症後の再発防止・機能回復・社会復帰)の区別が曖昧だと混乱しやすい。特に、「予防」という言葉から健康増進全般を指すと誤解しがちです。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出た場合、まず提示された具体例が「病気が発症する前」の段階の介入か、「病気が発症した後」の段階の介入かを見極める。次に、発症前であれば「リスク因子への働きかけ(一次)」か「早期発見・早期治療(二次)」かを判断し、発症後であれば「再発防止や社会復帰支援(三次)」かを判断する。
関連知識
一次予防:健康増進(食事、運動、禁煙、ストレス管理)、特定の予防接種。二次予防:健康診断、がん検診、特定健診、生活習慣病の早期発見・早期治療。三次予防:リハビリテーション、服薬管理、栄養指導、就労支援、社会復帰支援。