細菌と選択培地の組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第63回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2・4番
解説
2. Clostridium difficileの選択分離培地としてCCFA培地(Cycloserine-Cefoxitin-Fructose Agar)は広く用いられています。3. Pseudomonas aeruginosaの選択分離培地としてNAC培地(Nalidixic Acid-Cetrimide Agar)は一般的です。
選択肢ごとの解説
- 1. Bacteroides fragilisの分離には、通常KVLB培地(カナマイシン・バンコマイシン加血液寒天培地)などが用いられます。CW寒天培地は主にClostridium perfringensの検出に用いられます。正しくは:Bacteroides fragilisにはKVLB培地、CW寒天培地にはClostridium perfringens。選びやすい理由:どちらも嫌気性菌であるため、混同しやすいかもしれません。混同注意:他の嫌気性菌用培地との混同。
- 2. 正解。CCFA培地(サイクロセリン・セフォキシチン・フルクトース寒天培地)は、Clostridium difficileの選択分離に特によく使用されます。Clostridium difficileはフルクトースを発酵し、特徴的なコロニーを形成します。選びやすい理由:特になし。標準的な組み合わせです。混同注意:他の嫌気性菌や腸内細菌の選択培地との混同。
- 3. Thayer-Martin培地は、Neisseria gonorrhoeae(淋菌)やNeisseria meningitidis(髄膜炎菌)などのナイセリア属菌の選択分離に用いられる培地です。Enterococcus faecalisの分離には、一般的に血液寒天培地やSCD培地(スタフィロコッカス・セレクティブ培地)などが用いられます。正しくは:Enterococcus faecalisには血液寒天培地またはSCD培地、Thayer-Martin培地にはNeisseria gonorrhoeaeやNeisseria meningitidis。選びやすい理由:Enterococcus faecalisは薬剤耐性を持つことがあり、選択培地が必要な場合もあるため、誤って選択培地と結びつけてしまう可能性があります。混同注意:他の選択培地や、ナイセリア属菌の培地との混同。
- 4. 正解。NAC寒天培地(ナイシン・アジド・セトリミド寒天培地)は、Pseudomonas aeruginosaの選択分離に用いられる培地です。特にセトリミドはPseudomonas aeruginosaの増殖を促進し、他の菌の増殖を抑制する効果があります。選びやすい理由:特になし。標準的な組み合わせです。混同注意:他の非発酵グラム陰性桿菌や、腸内細菌の選択培地との混同。
- 5. CIN寒天培地(セフスロジン・イルガサン・ノボビオシン寒天培地)は、Yersinia enterocolitica(エルシニア・エンテロコリチカ)の選択分離に用いられる培地です。Salmonella属菌の分離には、SS寒天培地やDHL寒天培地、BG寒天培地などが一般的です。正しくは:Salmonella EnteritidisにはSS寒天培地、DHL寒天培地、BG寒天培地など。CIN寒天培地にはYersinia enterocolitica。選びやすい理由:どちらも腸管病原菌であるため、混同しやすい可能性があります。混同注意:他の腸管病原菌の選択培地との混同。
国試ポイント
この問題は、主要な臨床細菌とその選択培地の組み合わせに関する基本的な知識を問うものです。各菌種に特異的な選択培地の名称と、その培地に含まれる選択剤の役割(選択性、鑑別性)を理解しているかが重要となります。特に、特定の病原菌を分離・同定するために使用される特殊な培地の知識が求められます。
混同注意
各細菌の選択培地と、類似する名前の培地、あるいは別の菌種の選択培地を混同しやすいです。例えば、CW培地とCCFA培地、Thayer-Martin培地と他の血液寒天培地、NAC培地と他の非発酵グラム陰性桿菌用培地、CIN培地と他の腸管病原菌用培地など。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、各選択培地の主成分と、それがどの菌の選択・鑑別に寄与するかを問われる可能性があります。また、培地の培養条件(好気・嫌気、温度)と組み合わせた問題も考えられます。
関連知識
選択培地に含まれる抗菌薬やその他の成分が、どのようなメカニズムで特定の菌の増殖を抑制し、目的菌の増殖を促すか(例:セトリミドの緑膿菌選択性、チアミンやビタミンB群の特定菌種必須栄養素など)。鑑別培地の仕組み(例:糖の発酵によるpH指示薬の変化、硫化水素産生など)。