水道水質基準において、人の健康の保護のため「検出されないこと」と規定されているのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第69回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
水道水の水質基準において、人の健康保護の観点から「検出されないこと」と明確に規定されている項目は、微生物学的な指標である大腸菌です。これは、大腸菌が検出された場合、病原菌による汚染の可能性を示唆するため、安全な飲用水の供給において極めて重要視されます。その他の選択肢は、それぞれに基準値が設けられていますが、「検出されないこと」という表現とは異なります。
選択肢ごとの解説
- 1. ヒ素は基準値が0.01mg/L以下と定められていますが、「検出されないこと」ではありません。正しくは:ヒ素の基準値は0.01mg/L以下である。選びやすい理由:重金属であり毒性が高いことから、検出されてはいけないと思われがち。混同注意:検出限界値と基準値の混同。
- 2. フッ素は基準値が0.8mg/L以下と定められていますが、「検出されないこと」ではありません。過剰摂取による歯のフッ素症などを防ぐための基準です。正しくは:フッ素の基準値は0.8mg/L以下である。選びやすい理由:特定の化学物質であるため、検出されない方が良いと思われやすい。混同注意:他の有害物質との混同。
- 3. 正解。大腸菌は糞便汚染の指標菌であり、感染症リスクがあるため、水道水からは「検出されないこと」が基準として規定されています。これは微生物学的な安全性を確保するための重要な項目です。選びやすい理由:一般的な汚染指標菌であるため、選択しやすい。混同注意:他の化学物質の基準値項目との混同。
- 4. アルキル水銀は極めて毒性が高いため、基準値は0.0005mg/L以下と定められていますが、これは厳密には「検出されないこと」とは異なる表現です。正しくは:アルキル水銀の基準値は0.0005mg/L以下である。選びやすい理由:水俣病の原因物質として知られ、非常に毒性が高いため、検出されてはならないと考えられやすい。混同注意:「検出されないこと」と「極めて低い基準値」の混同。
- 5. シアン化合物は毒性が高く、基準値は0.01mg/L以下と定められていますが、「検出されないこと」ではありません。正しくは:シアン化合物の基準値は0.01mg/L以下である。選びやすい理由:青酸カリの成分として知られ、致死性が高いため、検出されてはならないと思われがち。混同注意:他の有害物質や基準値の表現との混同。
国試ポイント
水道水質基準に関する知識、特に微生物学的項目と化学的項目における基準値の表現の違いを理解しているかが問われています。特に「検出されないこと」という明確な表現が使われる項目を把握しておくことが重要です。
混同注意
毒性の高い化学物質であれば全て「検出されないこと」と規定されていると誤解しやすい。実際には、多くの化学物質には極めて低いながらも具体的な基準値が設定されている。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出た場合は、「検出されないこと」という表現が特定の微生物学的指標(大腸菌など)や、極めて特殊なケース(放射性物質の一部など)に限定的に用いられることを念頭に、各項目の基準値と合わせて確認する。
関連知識
水道法、水質基準に関する省令、水道水質検査の基本的な考え方(特に一般細菌、大腸菌、クリプトスポリジウムなどの微生物学的項目)。その他の有害物質(重金属、有機溶剤、農薬など)の具体的な基準値とその根拠。