100Ωの負荷につながれた装置の消費電力が100 Wであった。この装置の負荷を200Ωに変えたときの消費電力[W]はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第69回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
この問題は、オームの法則と電力の計算式を用いて、回路の状態変化に伴う消費電力の変動を求めるものです。まず、与えられた初期条件(負荷抵抗100Ω、消費電力100W)から、回路に加わっている電圧を算出します。電力の公式 P = V^2 / R に数値を代入すると、100W = V^2 / 100Ω となり、ここから V^2 = 10000、つまり電圧 V = 100V を得ます。この電圧が回路において一定であると仮定し、次に新しい負荷抵抗200Ωが接続された場合の消費電力を計算します。再び電力の公式 P' = V^2 / R' を適用すると、P' = 100^2 / 200Ω = 10000 / 200 = 50W となります。したがって、新しい負荷抵抗における消費電力は50Wです。
選択肢ごとの解説
- 1. 抵抗値が2倍になったときに消費電力が1/4になるという計算は誤りです。電圧一定の回路では、抵抗が2倍になると消費電力は1/2になります。正しくは:正しい計算では50Wになります。選びやすい理由:消費電力の計算式 P = V^2/R において、Rが分母にあることから反比例の関係にあることは理解しつつも、係数を誤って適用したり、電圧が半分になったと誤解したりすると、このような結果になることがあります。混同注意:電力と抵抗の間の具体的な反比例関係(Rが2倍でPは1/2)を誤って、Rが2倍でPは1/4になると解釈してしまうことがあります。
- 2. 正解。まず、最初の条件(消費電力100W、負荷抵抗100Ω)から回路の電圧を求めます。電力の公式 P = V^2 / R を用いると、100W = V^2 / 100Ω となり、V^2 = 10000、したがって V = 100V であるとわかります。次に、この回路の電圧が100Vで一定であると仮定し、負荷抵抗を200Ωに変更した場合の消費電力を計算します。P' = V^2 / R' = 100^2 / 200Ω = 10000 / 200 = 50Wとなります。
- 3. 負荷抵抗が変化すれば、電圧または電流が一定である限り、消費電力も変化します。元の消費電力と同じ値になることはありません。正しくは:抵抗値が変化した場合は、電圧と抵抗の関係に応じて消費電力も変化します。選びやすい理由:変化する条件があるにもかかわらず、消費電力は変化しないと直感的に誤解してしまう可能性があります。混同注意:負荷抵抗が変わっても電力は一定という誤った認識、または電力の計算式を全く考慮しない判断。
- 4. 抵抗が2倍になったからといって電力が2倍になるわけではありません。電圧が一定の回路では、抵抗が2倍になると電流は半分になり、消費電力はP = V^2/R の関係で半分になります。正しくは:電圧が一定の回路では、抵抗が2倍になると消費電力は1/2になります。選びやすい理由:電力の計算式 P = I^2R を使い、電流Iが一定であると誤って仮定すると、抵抗Rが2倍になれば電力Pも2倍になると誤解してしまうことがあります。しかし、実際には電圧Vが一定であるため、Iも変化します。混同注意:電圧が一定の回路において、電流ではなく抵抗に比例して電力が変化すると誤解すること。P=I^2RとP=V^2/Rの使い分けの混同。
- 5. 抵抗が2倍になったときに電力が4倍になるという計算は誤りです。これは基本的な電力の計算式やオームの法則を大きく間違って適用した場合に起こりうる間違いです。正しくは:電圧が一定の回路では、抵抗が2倍になると消費電力は1/2になります。選びやすい理由:電力の式における変数間の関係を混同し、抵抗の変化が電力に及ぼす影響を過大評価してしまう可能性があります(例:P = V^2 * R と誤解するなど)。混同注意:電力と抵抗の関係について、式 P=V^2/R を正しく適用できない、または他の物理量との関係を誤って解釈してしまうことがあります。
国試ポイント
オームの法則(V=IR)と電力の計算式(P=VI, P=I^2R, P=V^2/R)を正確に理解し、問題の状況(特に電圧が一定とみなされること)に応じて適切な公式を選択し、適用できるかが問われています。与えられた情報から未知の物理量を導き出し、それを次のステップの計算に利用するという、段階的な思考力も評価されます。
混同注意
最も混同しやすい点は、回路において「電圧が一定」とみなすべきか、「電流が一定」とみなすべきかの判断です。医療機器などの一般的な電源では電圧が一定に保たれることが多いため、負荷抵抗が変われば電流が変化し、それに伴って電力も変化します。また、電力の計算式 P=I^2R と P=V^2/R の使い分けを誤ると、抵抗の変化が電力に与える影響を正しく評価できません。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が問われる場合、直列・並列接続された抵抗における合成抵抗の計算や、交流回路におけるインピーダンスや皮相電力・有効電力・無効電力の概念が関連して出題される可能性があります。また、異なる種類の電源(定電流源など)が提示された場合の計算方法の違いも理解しておく必要があります。
関連知識
オームの法則 (V = IR)、電力の定義 (P = VI)、および電力の各種表現式 (P = I^2R, P = V^2/R) は、電気回路の基礎をなす重要な知識です。また、これらは医療機器の電力消費や発熱といった工学的側面の理解にも不可欠です。