ヒトのテロメアについて誤っているのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第67回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
テロメラーゼは、テロメアの短縮を防ぎ、その長さを維持または伸長させる酵素です。特に生殖細胞やがん細胞などで高活性を示します。したがって、「テロメラーゼにより短縮する」という記述は誤りです。テロメラーゼはテロメアの短縮を『抑制』し、『伸長』させる働きをします。
選択肢ごとの解説
- 1. テロメアは、染色体の末端を保護し、他の染色体との融合や分解を防ぐことで、染色体の安定性を維持しています。正しくは:この記述は正しいです。選びやすい理由:テロメアの主要な機能の一つなので、正しい選択肢と判断しやすいです。混同注意:テロメアの機能の中でも基本的な知識です。
- 2. テロメアは、染色体の線形DNA分子の物理的な末端に存在する特異な構造です。正しくは:この記述は正しいです。選びやすい理由:テロメアの場所を示す直接的な記述であるため、正しいと判断しやすいです。混同注意:テロメアの定義に関する知識です。
- 3. 正解。テロメラーゼは、テロメアの短縮を抑制し、むしろテロメア配列を伸長させる(合成する)酵素です。DNA複製時のテロメア短縮を補償する役割を持ちます。正しくは:テロメラーゼはテロメアの伸長を触媒する酵素である。選びやすい理由:「テロメラーゼ」と「テロメア短縮」という言葉の組み合わせから、何らかの関連性があると誤解しやすいため。しかし、その関係性が「促進」ではなく「抑制・伸長」である点が重要です。混同注意:テロメラーゼの機能とテロメアの短縮プロセスを混同しやすいです。
- 4. ほとんどのヒト体細胞ではテロメラーゼ活性が低いか存在しないため、DNA複製時にテロメアの一部が複製されずに短縮していきます。これは細胞の老化と関連しています。正しくは:この記述は正しいです。選びやすい理由:テロメアの主要な特性であり、老化のメカニズムと関連付けて理解されているため、正しいと判断しやすいです。混同注意:テロメアの短縮と細胞老化の関係性です。
- 5. ヒトのテロメアは、(TTAGGG)という6塩基配列の繰り返しが数千回続くことで構成されています。正しくは:この記述は正しいです。選びやすい理由:テロメアの構造に関する基本的な知識なので、正しいと判断しやすいです。混同注意:テロメアの分子構造に関する知識です。
国試ポイント
テロメアの基本的な機能(安定化、短縮)とテロメラーゼの役割(伸長、短縮抑制)を正確に理解しているかを問う問題です。特に、テロメラーゼがテロメアを『短縮させる』という誤った認識を誘発する選択肢に注意が必要です。
混同注意
テロメアの『短縮』とテロメラーゼの『伸長(短縮抑制)』という相反する作用を混同しやすい。テロメラーゼがないと短縮するが、テロメラーゼがあることで短縮が防がれる、という関係性を理解することが重要です。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出たら、テロメアの構造、機能、テロメラーゼの役割、およびそれらが細胞分裂や老化、疾患にどのように関連するかについて、より詳細な知識が問われる可能性があります。
関連知識
DNA複製のエンドレプリケーション問題、細胞老化(ヘイフリック限界)、がん細胞におけるテロメラーゼの活性化、再生医療におけるテロメア研究など。