骨格筋でアンモニアが結合して生成するのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第65回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
骨格筋では、運動により産生されたアンモニア(NH3)は、グルタミン合成酵素(Glutamine synthetase)の作用により、グルタミン酸(Glutamate)と結合してグルタミン(Glutamine)となります。このグルタミンは血中を介して肝臓などの他の組織に運ばれ、そこでアンモニアが放出されて解毒されます。これは骨格筋におけるアンモニアの無毒化と輸送の主要なメカニズムです。
選択肢ごとの解説
- 1. アルギニンは尿素回路の中間代謝物であり、アンモニアと直接結合して骨格筋で生成される主要な化合物ではありません。正しくは:アルギニンはオルニチン回路で生成されるアミノ酸であり、尿素生成に関与します。選びやすい理由:アミノ酸の一種であるため、アンモニアと関連があるように見えます。混同注意:尿素回路の構成アミノ酸と混同しやすいです。
- 2. オルニチンは尿素回路の中間代謝物であり、アンモニアと結合して骨格筋で生成される主要な化合物ではありません。骨格筋ではグルタミンが主要なアンモニア輸送体となります。正しくは:オルニチンは尿素回路の基質となり、アンモニアとカルバモイルリン酸からシトルリンを生成します。選びやすい理由:尿素回路に関わるアミノ酸であるため、アンモニア代謝と関連があるように見えます。混同注意:尿素回路の他のアミノ酸(アルギニン、シトルリン)と混同しやすいです。
- 3. 正解。骨格筋では、運動により生じたアンモニアを解毒し、他の組織へ輸送するために、グルタミン合成酵素の働きでグルタミン酸とアンモニアが結合してグルタミンが生成されます。これはアンモニアの無毒化と輸送の重要なメカニズムです。
- 4. シトルリンは尿素回路の中間代謝物であり、主に肝臓でアンモニア解毒に関与します。骨格筋でアンモニアと結合して生成される主要な化合物ではありません。正しくは:シトルリンはオルニチンとカルバモイルリン酸から生成され、さらにアルギニンに変換されます。選びやすい理由:尿素回路の構成アミノ酸であるため、アンモニアと関連があるように見えます。混同注意:他の尿素回路の構成アミノ酸と混同しやすいです。
- 5. カルバモイルリン酸は尿素回路の初期段階で生成されますが、これは主に肝臓のミトコンドリアで、アンモニアと二酸化炭素からカルバモイルリン酸合成酵素によって作られます。骨格筋でアンモニアが結合して直接生成される主要な物質ではありません。正しくは:カルバモイルリン酸は尿素回路の最初の段階で、アンモニアと二酸化炭素(重炭酸イオン)から生成されます。選びやすい理由:アンモニア代謝の初期段階に関わるため、関連があるように見えます。混同注意:尿素回路の初期反応物と混同しやすいです。
国試ポイント
骨格筋でのアンモニア代謝、特にアンモニアの解毒・輸送メカニズムについて問う問題です。尿素回路が主に肝臓で行われることに対し、骨格筋ではグルタミンがアンモニア輸送体として機能する点を理解しているかが試されます。
混同注意
尿素回路の各中間体(オルニチン、シトルリン、アルギニン、カルバモイルリン酸)と、骨格筋でのアンモニア処理経路であるグルタミン合成経路を混同しやすいです。尿素回路は主に肝臓で行われ、骨格筋ではグルタミン酸からのグルタミン合成が重要です。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合は、「アンモニアの主な解毒臓器(肝臓)」、「尿素回路の主な場所」、「脳におけるアンモニア処理」など、他の組織でのアンモニア代謝との違いに注目すると良いでしょう。
関連知識
アンモニアの生体内での毒性、グルタミン合成酵素の役割、グルタミン・アラニン回路、尿素回路の臓器特異性、アミノ酸の異化代謝。