Salmonella entericaについて正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第64回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
Salmonella属菌の多くはリジン脱炭酸酵素を産生し、リジン脱炭酸反応は陽性となります。特にSalmonella Enteritidisもこの性状を示します。これは腸内細菌の鑑別における重要な生化学的性状の一つです。他の選択肢は、サルモネラの生化学的性状に関する誤った記述です。
選択肢ごとの解説
- 1. サルモネラ属菌は通常、乳糖を分解しません。乳糖非分解菌に分類されます。正しくは:Salmonella Typhimuriumは乳糖を分解しない。選びやすい理由:グラム陰性桿菌の中には乳糖を分解する菌(大腸菌など)も多いため、混同しやすいかもしれません。混同注意:大腸菌などの乳糖分解菌と混同しやすい。
- 2. Salmonella TyphiはTSI培地で硫化水素を産生しますが、ガス(CO2など)はほとんど産生しません。ガス産生能の弱い菌として知られています。正しくは:Salmonella TyphiはTSI培地でガスをほとんど産生しない。選びやすい理由:多くのサルモネラ属菌はガスを産生するため、Typhiもそうだと誤解しやすいです。混同注意:他のSalmonella属菌(例: Typhimurium, Enteritidis)のガス産生能と混同しやすい。
- 3. 正解。Salmonella属菌の多く、特にSalmonella Enteritidisはリジン脱炭酸酵素(LDC)を産生するため、リジン脱炭酸反応は陽性となります。これはサルモネラの生化学的性状を鑑別する上で重要な特徴の一つです。
- 4. Salmonella enterica subsp. arizonaeは、稀な例外としてβ-ガラクトシダーゼを産生し、ONPGテストが陽性となることが多いです。これは一般的なサルモネラ属菌(ONPG陰性)と異なる特徴です。正しくは:Salmonella enterica subsp. arizonaeはONPGテストで陽性である。選びやすい理由:多くのサルモネラ属菌はONPGテスト陰性であるため、arizonaeも陰性だと考えがちです。混同注意:一般的なサルモネラ属菌のONPG性状(陰性)と混同しやすい。
- 5. Salmonella Paratyphi Aはクエン酸を利用する能力が弱く、シモンズのクエン酸塩培地では通常増殖しません(陰性)。正しくは:Salmonella Paratyphi Aはシモンズのクエン酸塩培地で増殖しない。選びやすい理由:多くの腸内細菌がクエン酸を利用できるため、Paratyphi Aもそうだと誤解しやすいです。混同注意:他の腸内細菌や、クエン酸陽性のSalmonella属菌(例: Typhimurium, Enteritidis)と混同しやすい。
国試ポイント
サルモネラ属菌の代表的な生化学的性状を正しく理解しているかどうかが問われています。特に、一般的なサルモネラの性状からの例外や、特定菌株の性状について正確な知識が求められます。
混同注意
各サルモネラ属菌の生化学的性状(乳糖分解、ガス産生、リジン脱炭酸、ONPG、クエン酸利用など)が混同しやすいポイントです。特に例外的な性状を示す菌株(例: S. Typhiのガス産生能、S. arizonaeのONPG)は注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、主要なサルモネラ属菌(S. Typhi, S. Paratyphi A/B, S. Typhimurium, S. Enteritidis)の各生化学的性状(乳糖分解、グルコース分解・ガス産生、硫化水素産生、リジン脱炭酸、ONPG、ク.エン酸利用)について、特に一般的なサルモネラの性状と比較した例外性を重点的に確認する。
関連知識
TSI培地の判読、IMViCテスト、リジン脱炭酸試験、ONPGテスト、シモンズクエン酸塩培地などの原理と結果、および主要な腸内細菌(大腸菌、サルモネラ、シゲラ、クレブシエラなど)の生化学的性状。