Pseudomonas aeruginosaについて正しいのはどれか。2つ選べ。
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出典:厚生労働省ホームページ(第66回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3・5番
解説
緑膿菌は青緑色色素ピオシアニンを産生し、その特徴的なコロニー色調の原因となります。また、アシルアミダーゼ試験(アセトアミド利用試験)陽性も緑膿菌の重要な同定形質の一つです。一方、緑膿菌は運動性のある菌であり鞭毛を持ち、硝酸塩還元能を有します。TSI培地では糖を発酵せず、ペプトン分解によるアルカリ化が見られるため、高層部は通常赤色または変化なしとなります。
選択肢ごとの解説
- 1. 緑膿菌は運動性があり、極性鞭毛を持つグラム陰性桿菌です。正しくは:緑膿菌は鞭毛を持つ。選びやすい理由:グラム陰性桿菌の中には鞭毛を持たないものもあるため、知識が曖昧だと誤解しやすい。混同注意:他の運動性のない細菌や、運動性があっても鞭毛以外の機構による細菌と混同する可能性。
- 2. 緑膿菌は硝酸還元酵素を持ち、硝酸塩を亜硝酸塩、さらに窒素ガスまで還元する能力があります。これは偏性好気性菌としては珍しい特徴です。正しくは:緑膿菌は硝酸塩を還元する。選びやすい理由:一般的な好気性菌は硝酸塩還元能を持たないことが多いため、そのイメージから間違えやすい。混同注意:大腸菌などの通性嫌気性菌が硝酸還元能を持つこと、または他の非発酵グラム陰性桿菌の生化学的特徴と混同する可能性。
- 3. 正解。緑膿菌の代表的な特徴の一つとして、青緑色の色素であるピオシアニンを産生することが挙げられます。これは感染部位や培養培地の特徴的な色調の原因となります。選びやすい理由:ピオシアニンの他にもピオベルジンなどの色素も産生するため、他の色素と混同しやすいが、最も特徴的なのはピオシアニンである。混同注意:他の細菌が産生する色素や、非発酵グラム陰性桿菌における色素産生の有無と混同する可能性。
- 4. TSI培地の高層部(好気性部分)が黄色に変色するのは、糖を酸性に発酵させる、または好気的に分解する菌がグルコース以外を消費し酸を産生する場合ですが、緑膿菌は糖を発酵せず、ペプトンを分解してアルカリ性にするため、通常は赤色または変化なし(アルカリ性)を示します。正しくは:TSI培地の高層部は赤色または変化しない(アルカリ性)ことが多い。選びやすい理由:TSI培地は多くの腸内細菌科細菌で高層部が黄色になるため、一般化して誤解しやすい。混同注意:ブドウ糖発酵性の腸内細菌科細菌や、他のブドウ糖非発酵菌だがTSI反応が異なる菌と混同する可能性。
- 5. 正解。緑膿菌の同定において重要な生化学的性状の一つに、アシルアミダーゼ(アセトアミドを分解する酵素)試験陽性があります。アセトアミドを加水分解してアンモニアを産生し、アルカリ性となることで陽性と判定されます。選びやすい理由:この試験はグラム陰性桿菌の中でも特定の菌種を鑑別するのに用いられるため、他の同定試験と混同しやすいが、緑膿菌の特徴として覚えるべき重要項目。混同注意:他のグラム陰性桿菌の同定試験、特にブドウ糖非発酵菌の鑑別試験と混同する可能性。
国試ポイント
緑膿菌の基本的な生化学的性状および菌学的特徴について、正誤を判断できるかどうかが問われています。特に、色素産生、運動性、硝酸還元能、糖発酵性、および特定の酵素活性(アシルアミダーゼ)は頻出項目です。
混同注意
他のブドウ糖非発酵グラム陰性桿菌(例:Acinetobacter属、Stenotrophomonas属)の性状と混同しやすいため、それぞれの菌の特異的な特徴をしっかり区別することが重要です。
次に同じ論点が出たら
次回は、緑膿菌が産生する他の毒素や酵素(エラスターゼ、アルカリプロテアーゼなど)、あるいは薬剤耐性機構に関する知識が問われる可能性があります。また、臨床検体からの検出状況や感染症との関連性についても注意が必要です。
関連知識
グラム染色性状(グラム陰性桿菌)、好気性、オキシダーゼ陽性、カタラーゼ陽性、コアグラーゼ陰性、溶血性、薬剤耐性(特に多剤耐性緑膿菌)。