キシレンの性質で誤っているのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第70回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
キシレンは代表的な有機溶剤であり、疎水性(油に溶けやすい性質)を持つため、水にはほとんど溶けません。水によく溶けるという記述は誤りです。他の選択肢はすべて、キシレンの一般的な性質や毒性作用として広く知られています。
選択肢ごとの解説
- 1. キシレンは揮発性の有機溶剤であり、比較的低い引火点を持つため、引火しやすい物質です。常温でも空気中で引火する危険性があります。選びやすい理由:有機溶剤の一般的な性質であるため、誤りと判断しにくい。混同注意:非引火性の溶剤(例:水、一部のフロン類)
- 2. 正解。キシレンは代表的な有機溶剤であり、分子構造が非極性であるため、水(極性溶媒)にはほとんど溶けません。油性であり、主に有機溶媒に溶けます。正しくは:水にはほとんど溶けない。選びやすい理由:アルコールやアセトンなど、水溶性の有機溶剤と混同しやすい。混同注意:水溶性有機溶剤(例:エタノール、アセトン、メタノール)
- 3. キシレンは高濃度での長期曝露によって、動物実験などで生殖機能への影響(例:胎児への毒性、受胎能の低下)が報告されており、ヒトにおいても生殖毒性の可能性が指摘されています。選びやすい理由:具体的な症状がイメージしにくい場合、誤りと感じることがある。混同注意:発がん性(キシレンは通常、ヒトに対する発がん性物質には分類されない)
- 4. キシレンは強力な脱脂作用があり、皮膚に付着すると皮膚のバリア機能を損ない、乾燥、発赤、炎症、かゆみなどの刺激症状を引き起こします。選びやすい理由:日常で触れる機会が少ないため、刺激の度合いが想像しにくい。混同注意:腐食性(腐食性は組織を不可逆的に破壊するより強い作用)
- 5. キシレンの蒸気を吸入すると、気道刺激、頭痛、めまい、吐き気などの症状を引き起こし、高濃度では中枢神経系への抑制作用や呼吸器系への毒性(例:肺水腫)を示すことがあります。選びやすい理由:一時的な軽度の症状と、重篤な有毒作用の区別がつきにくい場合がある。混同注意:全身毒性(呼吸器系だけでなく、全身に影響を与える)
国試ポイント
有機溶剤であるキシレンの基本的な物理化学的性質(特に水溶性)と、人体に対する主な有害作用(引火性、生殖毒性、皮膚刺激性、呼吸器有毒性)に関する知識が問われています。これらの性質は、作業環境における安全管理や健康障害予防の観点からも重要です。
混同注意
水溶性の有機溶剤(例:エタノール、アセトン)と非水溶性の有機溶剤(例:トルエン、ヘキサン、ベンゼン)の区別が混同されやすい点です。また、刺激性、毒性、発がん性などの用語の定義と、特定の化学物質に当てはまるかどうかの知識も混同しやすい要素です。
次に同じ論点が出たら
次回は、キシレン以外の代表的な有機溶剤(例:トルエン、ベンゼン、n-ヘキサンなど)の性質や毒性、あるいはそれらの代謝経路やバイオマーカーに関する問題が出題される可能性があります。また、有機溶剤中毒の具体的な症状、診断、予防対策について問われることも考えられます。
関連知識
キシレンは塗料、接着剤、印刷インキなどの溶剤として工業的に広く使用されています。オルト-、メタ-、パラ-キシレンの異性体があり、それぞれ性質は類似しています。有機溶剤中毒予防規則における特定有機溶剤の一つであり、吸入、経皮、経口など様々な経路で体内に吸収され、中枢神経系障害、肝機能障害、腎機能障害などを引き起こす可能性があります。毒性評価においては、生殖毒性、発がん性、変異原性などの違いを理解しておくことが重要です。