コルセミド処理が細胞周期を停止させる時期はどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第66回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
コルヒチンおよびコルセミドは、微小管の主要構成タンパク質であるチュブリンに結合し、その重合を阻害することで紡錘体の形成を妨げます。紡錘体は分裂中期に染色体を細胞の赤道面に整列させるために不可欠であり、この形成不全により「紡錘体チェックポイント(M期チェックポイント)」が活性化されます。結果として、細胞周期は分裂中期(M期中期)で停止します。これにより、核型分析などで観察される中期染色体を得ることができます。
選択肢ごとの解説
- 1. 間期は細胞が成長しDNAを複製する期間であり、コルヒチンやコルセミドが直接的に停止させる時期ではありません。正しくは:コルヒチンやコルセミドは微小管の重合を阻害し、紡錘体の形成を妨げることで細胞周期を停止させます。選びやすい理由:細胞周期の大部分を占めるため、停止と関連付けやすいかもしれませんが、具体的な作用機序とは異なります。混同注意:G1期、S期、G2期といった間期の各段階の機能と混同する可能性があります。
- 2. 分裂前期では染色体の凝縮が始まり、核膜が消失しますが、コルヒチンやコルセミドの作用で細胞周期が停止するのはこの後の段階です。正しくは:コルヒチンやコルセミドは紡錘体の形成を阻害し、染色体が赤道面に並ぶことを妨げます。選びやすい理由:分裂期が始まる段階であるため、初期の異常と結びつけやすいかもしれません。混同注意:核膜消失や染色体凝縮といった分裂前期の特徴的なイベントと、紡錘体形成不全による停止とを混同する可能性があります。
- 3. 正解。コルヒチンやコルセミドは微小管の重合を阻害し、紡錘体の形成を妨げます。これにより、染色体が細胞の赤道面に整列できなくなり、紡錘体チェックポイントが活性化されて細胞周期が中期で停止します。
- 4. 分裂後期は姉妹染色分体が分離し、両極へ移動する時期です。コルヒチンやコルセミドによって細胞周期が停止するのは、この分離が行われる前の段階です。正しくは:コルヒチンやコルセミドは紡錘体の形成を阻害するため、染色分体の分離(後期)に進むことができません。選びやすい理由:染色体の動きに関連する時期であるため、薬物の影響と関連付けやすいかもしれませんが、作用機序が異なります。混同注意:染色体分離のメカニズムと、紡錘体形成不全による前期・中期での停止とを混同する可能性があります。
- 5. 分裂終期は染色体が両極に到達し、核膜が再形成される時期です。コルヒチンやコルセミドによって細胞周期が停止するのは、この段階よりも前です。正しくは:コルヒチンやコルセミドは紡錘体形成を阻害するため、細胞は分裂終期に到達できません。選びやすい理由:細胞分裂の最終段階であるため、薬物による影響が最終的に現れると誤解しやすいかもしれません。混同注意:細胞質分裂(サイトカインシス)を含めた細胞分裂全体の過程と、具体的な停止メカニズムとを混同する可能性があります。
国試ポイント
コルヒチンやコルセミドの作用機序(微小管重合阻害)と、それが細胞周期のどの段階に影響し、どのような結果(中期停止)をもたらすかを理解しているか。特に、中期染色体を用いた核型分析の原理と関連付けて問われることが多い。
混同注意
細胞周期の各段階で起こるイベント(DNA複製、染色体凝縮、核膜消失、染色体分離など)と、薬剤が作用する特定のチェックポイントや分子メカニズムを混同しやすい。特に、単に「分裂期」と認識するだけでなく、その中でも「中期」であると明確に区別できるかが重要。
次に同じ論点が出たら
今後、類似問題が出題された場合、コルヒチン以外の微小管阻害剤(例:タキソール)の作用点や、細胞周期の異なるチェックポイント(例:G1/Sチェックポイント、G2/Mチェックポイント)に作用する薬剤とその効果について問われる可能性があります。
関連知識
細胞周期の各期(G1, S, G2, M期)、M期チェックポイント(紡錘体チェックポイント)、微小管の構造と機能、核型分析の手順と意義、その他細胞周期を阻害する薬剤(例:DNA合成阻害剤)とその作用点。