尿沈渣の無染色標本(別冊No. 2)を別に示す。この構造物が生成されるのはどれか。

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出典:厚生労働省ホームページ(第66回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
下図の尿沈渣標本に見られる針状または顆粒状の結晶はビリルビン結晶である。ビリルビン結晶は、閉塞性黄疸などによって尿中にビリルビンが排泄される際に形成される。胆管癌は閉塞性黄疸を引き起こす主要な原因の一つであり、その結果として尿中にビリルビン結晶が検出されやすくなる。したがって、胆管癌はビリルビン結晶が生成される疾患として適切である。
選択肢ごとの解説
- 1. 痛風では尿酸塩結晶が認められることがあるが、これは特徴的な正方形ないし菱形の板状結晶で、コレステロール結晶とは形態が異なる。正しくは:痛風では尿酸塩結晶が生成されやすい。選びやすい理由:結晶尿が見られる疾患として関連づけやすい。混同注意:他の結晶尿と混同しやすい。
- 2. 正解。胆管癌では閉塞性黄疸により、尿中にビリルビンが排出され、ビリルビン結晶が形成されることがある。尿沈渣で画像に示すような針状または顆粒状のビリルビン結晶が観察される。選びやすい理由:結晶尿と特定の疾患を結びつける知識を問う問題であるため、直接的な関連性が見えにくい場合がある。混同注意:尿沈渣の異常所見全般と混同しやすい。
- 3. シスチン尿症ではシスチン結晶が生成される。シスチン結晶は六角形板状であり、画像に示すビリルビン結晶とは異なる形態である。正しくは:シスチン尿症ではシスチン結晶が生成されやすい。選びやすい理由:先天性代謝異常による結晶尿として選択しやすい。混同注意:シスチン結晶と混同しやすい。
- 4. 発作性夜間ヘモグロビン尿症は溶血性貧血の一種であり、尿中にはヘモグロビンやヘモジデリンが検出されるが、画像のようなビリルビン結晶は典型的ではない。正しくは:発作性夜間ヘモグロビン尿症ではヘモグロビン尿やヘモジデリン尿が見られる。選びやすい理由:色調異常を伴う尿疾患として選択肢に含めやすい。混同注意:血色素尿症と結晶尿を混同しやすい。
- 5. この疾患では2,8-ジヒドロキシアデニン(DHA)結晶が生成される。DHA結晶は特徴的な球状や放射状の結晶であり、画像に示すビリルビン結晶とは形態が異なる。正しくは:アデニンホスホリボシルトランスフェラーゼ欠損症では2,8-ジヒドロキシアデニン結晶が生成されやすい。選びやすい理由:比較的新しい結晶尿の原因疾患として選択肢に含めやすい。混同注意:他の結晶尿と混同しやすい。
国試ポイント
この問題は、尿沈渣の所見(特に結晶の種類と形態)を正確に識別し、それが関連する疾患と結びつける知識を問う。画像からビリルビン結晶を同定できるか、そしてその結晶がどのような病態で出現するかを理解しているかが重要となる。特に、様々な結晶の形態を区別する能力が求められる。
混同注意
尿中に見られる様々な結晶(尿酸塩結晶、シスチン結晶、リン酸アンモニウムマグネシウム結晶など)の形態と、それらが出現する疾患が混同されやすい。特に、それぞれの結晶の典型的な形態的特徴を把握していないと誤答につながる。
次に同じ論点が出たら
次回同じ論点が出た場合、まず提示された尿沈渣画像の結晶の形態的特徴を正確に把握する。次に、その形態に合致する結晶の種類を特定する。最後に、その結晶が生成される病態や関連疾患を思考し、選択肢と照合する。
関連知識
尿沈渣で認められる結晶の種類と、それぞれが関連する疾患(例:尿酸結晶と痛風、シスチン結晶とシスチン尿症、リン酸アンモニウムマグネシウム結晶と尿路感染症)を一覧で学習しておくことが重要である。また、黄疸の種類(溶血性、肝細胞性、閉塞性)と、それぞれで尿中に排泄される物質(ウロビリノーゲン、ビリルビン)についても理解しておく必要がある。