染色法と目的菌の組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。
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出典:厚生労働省ホームページ(第65回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2・4番
解説
2. ギメネス染色(Giménez染色)は、グラム陰性桿菌の中でもグラム染色では染まりにくいレジオネラやクラミジアなどの細胞内寄生菌の検出に用いられる銀染色法の一つです。レジオネラ・ニューモフィラはギメネス染色で赤く染まり、検出に適しています。 4. オーラミン・ローダミン染色は、結核菌をはじめとする抗酸菌が持つミコール酸を蛍光色素(オーラミンO、ローダミンB)で染め出す方法です。蛍光顕微鏡を用いて観察し、Ziehl-Neelsen染色よりも高感度であるとされています。マイコバクテリウム・ツベルクローシスは代表的な抗酸菌であるため、この染色法の対象となります。
選択肢ごとの解説
- 1. 墨汁法は主にクリプトコックス(Cryptococcus neoformans)の莢膜を検出するために用いられ、カンジダ・アルビカンスは莢膜を持たないため、この組み合わせは誤りです。正しくは:墨汁法とクリプトコックス・ネオフォルマンス(Cryptococcus neoformans)選びやすい理由:カンジダも真菌であるため、何らかの特殊染色と結びつけやすいですが、墨汁法は莢膜検出に特化しています。混同注意:真菌一般の染色法と、特定の構造(莢膜)を染める方法を混同しやすいです。
- 2. 正解。ギメネス染色は、グラム染色では染まりにくいレジオネラやクラミジアなどの細胞内寄生菌の検出に有効な染色法です。レジオネラ・ニューモフィラはこの染色法でよく検出されます。
- 3. コリネバクテリウム・ジフテリアエは芽胞を形成しない細菌であり、芽胞染色(モラー染色など)の対象とはなりません。芽胞を形成するのはバシラス属やクロストリジウム属の菌です。正しくは:芽胞染色とバシラス属またはクロストリジウム属の菌選びやすい理由:グラム陽性桿菌であるため、芽胞形成菌と勘違いしやすいかもしれません。混同注意:芽胞形成菌と非形成菌の代表例を混同しやすいです。
- 4. 正解。オーラミン・ローダミン染色は、抗酸菌の細胞壁に含まれるミコール酸を蛍光色素で染め出す方法で、結核菌(マイコバクテリウム・ツベルクローシス)などの抗酸菌検出に特異的かつ高感度な染色法です。
- 5. 異染小体染色(アルベルト染色、リンパ腺腫染色など)は、主にコリネバクテリウム・ジフテリアエが持つ貯蔵顆粒(ボルチン顆粒)を検出するために用いられます。クロストリディオイデス・ディフィシルは異染小体を形成せず、この染色の対象ではありません。正しくは:異染小体染色とコリネバクテリウム・ジフテリアエ(Corynebacterium diphtheriae)選びやすい理由:クロストリディオイデス・ディフィシルもグラム陽性菌であり、何らかの特殊染色が必要であるという認識から誤って選択しやすいかもしれません。混同注意:異染小体を持つ菌(ジフテリア菌)と、芽胞を形成する菌(クロストリディオイデス属)を混同しやすいです。
国試ポイント
この問題は、主要な特殊染色法とその対象となる代表的な細菌の組み合わせを問うものです。各染色法の原理と、どのような特徴を持つ菌(莢膜、細胞内寄生、抗酸性、芽胞、異染小体など)を検出するために用いられるかを正確に理解しているかが試されます。特にグラム染色では染まりにくい菌や、特定の構造を持つ菌の検出法が頻出です。
混同注意
各特殊染色法がターゲットとする細菌や構造が非常に類似しているため、混同しやすいです。例えば、墨汁法(莢膜)、芽胞染色(芽胞)、異染小体染色(異染小体)、抗酸菌染色(ミコール酸)といった、それぞれ異なる『構造』を染める目的の染色法と、グラム染色で染まりにくい菌を染める染色法(ギメネス染色、渡辺の染色など)が混在しているため、整理して覚える必要があります。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、各染色法の『原理(何を染めているか)』と『代表的な対象菌(なぜその菌なのか)』に注目して選択肢を吟味します。特に、グラム染色では陽性・陰性ともに見落とされやすい特殊な菌(例:マイコプラズマ、スピロヘータ)や、特定の毒性因子(莢膜、芽胞など)を持つ菌の検出法が問われる可能性があります。
関連知識
グラム染色、Ziehl-Neelsen染色(チール・ネルセン染色)、Kinyoun染色(キンニョン染色)、渡辺の染色、チール・グローブ染色、アルベルト染色、モラー染色、ヒスワット染色、莢膜染色(Hiss染色など)。それぞれの染色法で陽性となる菌種、染まる構造、染色結果の色調についても理解が必要です。