一次救命処置〈basic life support:BLS〉に含まれないのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第70回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
一次救命処置(BLS)は、心肺停止状態の傷病者に対し、医療器具や薬剤を用いずに、一般市民でも行うことができる基本的な救命手技を指します。BLSの主な内容は、胸骨圧迫、気道確保、人工呼吸、そして自動体外式除細動器(AED)の使用です。これに対し、静脈路確保は薬剤投与や輸液を目的とした侵襲的な手技であり、専門的な医療器具や知識が必要となるため、医師や救急救命士が行う二次救命処置(ALS)に分類されます。
選択肢ごとの解説
- 1. 気道確保は、呼吸を妨げる可能性のある異物や舌根沈下を防ぎ、空気の通り道を確保するために一次救命処置(BLS)において非常に重要なステップです。呼吸の評価と換気を効率的に行うための基本となります。選びやすい理由:一次救命処置の基本的な流れ(CABの一部)として、明確に位置づけられているため、これが含まれないと誤解する可能性は低いです。混同注意:BLSの基本的な要素であるため、他の高度な医療行為と混同することは少ないでしょう。
- 2. 胸骨圧迫は、心停止した患者の全身に血液を送るための最も重要な手技であり、一次救命処置(BLS)のC(Circulation)の主要な要素です。中断なく質の高い圧迫を行うことが生存率向上に直結します。選びやすい理由:現在のBLSガイドラインでは、胸骨圧迫が最も優先されるべき手技とされているため、これが含まれることは広く認識されています。混同注意:心臓マッサージという表現が用いられることもありますが、BLSの文脈では「胸骨圧迫」がより正確な用語として推奨されています。
- 3. AEDは、心室細動などの致死的な不整脈を電気ショックで取り除く装置であり、市民による早期使用が推奨されているため、一次救命処置(BLS)の重要な一部とされています。早期除細動が救命率を高めます。選びやすい理由:かつては医療従事者のみが扱えると考えられていたかもしれませんが、現在は一般市民にも普及しており、BLSの範囲に含まれることが常識となっています。混同注意:除細動器が高度な医療機器であることから、二次救命処置(ALS)の一部だと誤解する可能性もゼロではありませんが、AEDはBLSに含まれます。
- 4. 正解。静脈路確保は、薬剤投与や輸液を行うための侵襲的な手技であり、医師や救急救命士などの高度な医療知識と技術を持つ専門家によって行われる二次救命処置(ALS: Advanced Life Support)の範囲に含まれます。一般市民が行う一次救命処置(BLS)には含まれません。選びやすい理由:救命処置全般の一部と誤解し、BLSにも含まれると考えてしまう可能性があります。特に、ドラマなどで救命の場面で静脈確保が行われるのを見て、BLSの一部と誤認することもありえます。混同注意:一次救命処置(BLS)が「医療器具や薬剤を用いない基本的な救命処置」であるのに対し、二次救命処置(ALS)は「医療器具や薬剤を用いた専門的な救命処置」であるという区別が曖昧な場合に混同しやすいです。
- 5. 人工呼吸は、呼吸が停止した患者に対して酸素を供給するために行われる手技で、一次救命処置(BLS)のB(Breathing)の主要な要素です。胸骨圧迫と組み合わせて行われます。選びやすい理由:胸骨圧迫との組み合わせ(30:2)で頻繁に言及されるため、BLSに含まれることは明らかです。ただし、感染リスクなどを考慮して人工呼吸を省略する「胸骨圧迫のみの心肺蘇生」も推奨されていますが、人工呼吸自体がBLSの要素であることに変わりはありません。混同注意:人工呼吸を行うことの感染リスクや、胸骨圧迫のみの蘇生法が広まっていることから、人工呼吸がBLSに含まれないと誤解する可能性もありますが、ガイドライン上は含まれます。
国試ポイント
臨床検査技師国家試験において、一次救命処置(BLS)の具体的な内容とその目的は頻出の論点です。特に、BLSが『非専門家でも実施可能な基本的な救命処置』であることを理解し、医療器具や薬剤を用いる二次救命処置(ALS)との明確な区別を問われることが多いです。各手技の名称とその役割、実施順序(CAB)、AEDの使用を含む点が重要となります。
混同注意
一次救命処置(BLS: Basic Life Support)と二次救命処置(ALS: Advanced Life Support)は混同されやすい概念です。BLSは一般市民でも可能な基本的な蘇生手技で、医療器具や薬剤は原則使用しません。一方、ALSは専門的な知識と技術、医療器具(静脈路確保、薬剤投与、高度な気道確保など)を用いる高度な蘇生手技を指します。この二つの違いを正確に理解することが重要です。
次に同じ論点が出たら
この論点に関して次に問われる可能性が高いのは、BLSの具体的な手順(CABの順序、胸骨圧迫の深さ・回数、人工呼吸の回数)、小児BLSと成人BLSの相違点、または特定の状況下(例:溺水、薬物中毒)におけるBLSの対応についてです。また、心肺蘇生法のガイドライン改訂内容や、胸骨圧迫のみの心肺蘇生法の適応についても理解しておく必要があります。
関連知識
BLSの基本的な流れは、かつてはABC(Airway, Breathing, Circulation)でしたが、現在は胸骨圧迫を優先するCAB(Circulation, Airway, Breathing)が推奨されています。胸骨圧迫は中断なく、深さ5-6cm、速さ100-120回/分のテンポで行うことが重要です。人工呼吸は胸骨圧迫30回に対し2回の割合で実施します。AEDは心室細動に対し最も有効な治療であり、早期の装着と電気ショックが救命率向上に繋がります。