尿沈渣の無染色標本(別冊No. 2)を別に示す。矢印で示した結晶はどれか。

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出典:厚生労働省ホームページ(第70回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
リン酸アンモニウムマグネシウム結晶(トリプルリン酸塩結晶)は、アルカリ性尿に認められる無色透明な結晶で、「棺の蓋(coffin lid)」と形容される特徴的な形態を示します。この結晶は尿路感染症、特にプロテウス菌などのウレアーゼ産生菌による感染症でよく見られます。下に示す画像は、まさにこの特徴的な形状を示しており、リン酸アンモニウムマグネシウム結晶と診断できます。
選択肢ごとの解説
- 1. 尿酸結晶は、通常、菱形、樽型、ロゼット型など多様な形態を示し、黄色~褐色の着色が見られます。酸性尿で出現します。正しくは:尿酸結晶は、酸性尿で出現する菱形、樽型、ロゼット型などの多様な形態の結晶です。選びやすい理由:尿沈渣でよく見られる結晶の一つですが、画像とは形態が異なります。混同注意:他の一般的な尿中結晶(シュウ酸カルシウムなど)。
- 2. シスチン結晶は、無色透明で六角板状の形態を示し、シスチン尿症で出現します。画像とは形態が異なります。正しくは:シスチン結晶は、無色透明の六角板状結晶です。選びやすい理由:シスチン結晶も一般的な結晶として知識があるかもしれませんが、形態が異なります。混同注意:尿酸結晶(酸性尿で出現する点)。
- 3. ビリルビン結晶は、黄褐色で針状、顆粒状、または不整形塊状の形態を示し、肝疾患などで出現します。画像とは形態が異なります。正しくは:ビリルビン結晶は、黄褐色で針状や顆粒状の結晶です。選びやすい理由:着色のある結晶であるため、イメージが重なるかもしれませんが、形状が異なります。混同注意:尿酸結晶(色調)。
- 4. コレステロール結晶は、無色透明で隅が欠けた長方形(階段状)の形態を示し、腎疾患などで出現します。画像とは形態が異なります。正しくは:コレステロール結晶は、無色透明で隅が欠けた長方形の結晶です。選びやすい理由:珍しい結晶として知識があるかもしれませんが、画像とは形態が異なります。混同注意:リン酸アンモニウムマグネシウム結晶(比較的珍しい結晶である点)。
- 5. 正解。リン酸アンモニウムマグネシウム結晶(トリプルリン酸塩結晶)は、無色透明で「棺の蓋」のような特徴的な形態を示します。アルカリ性尿で出現し、尿路感染症との関連が深いです。下に示す画像は、この特徴的な形状と無色透明であることから、リン酸アンモニウムマグネシウム結晶と判断できます。
国試ポイント
尿沈渣の結晶成分は、その形態、色調、尿のpHによって鑑別することが重要です。特にリン酸アンモニウムマグネシウム結晶は「棺の蓋」という特徴的な形態で頻出であり、正確に判別できる必要があります。各結晶の基本的な形態、出現する尿のpH、および関連する臨床状態(疾患など)を問う問題が繰り返し出題されます。
混同注意
無色透明な結晶には、他にシスチン結晶(六角板状)、コレステロール結晶(隅が欠けた長方形)、シュウ酸カルシウム結晶(八面体、ダンベル形)などがあり、形態による鑑別が重要です。
次に同じ論点が出たら
同様の画像問題が出た場合、まず結晶の形態、次に色調、さらに問題文に尿のpHが示されている場合はそれを参考に鑑別を進めます。特に特徴的な形態を持つ結晶は優先して覚えるべきです。
関連知識
リン酸アンモニウムマグネシウム結晶は、尿路結石(特に感染性結石)の成分となることがあります。尿路感染症では尿がアルカリ性化し、アンモニアが産生されることで結晶形成が促進されます。他の一般的な尿中結晶として、酸性尿で出現する尿酸結晶やシュウ酸カルシウム結晶、アルカリ性尿で出現するリン酸カルシウム結晶などがあります。それぞれの結晶の形態、出現環境(pH)、臨床的意義を理解しておくことが重要です。