播種性血管内凝固〈DIC〉の所見で正しいのはどれか。2つ選べ。
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出典:厚生労働省ホームページ(第67回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2・5番
解説
DICは、基礎疾患により凝固系が持続的に活性化され、全身の微小血管内で血栓が形成される病態です。これにより、血小板や凝固因子が大量に消費(消費性凝固障害)され、同時に二次的に線溶系も亢進します。このため、血小板数は減少し(選択肢1は誤り)、フィブリノゲンも消費されて減少します(選択肢3は誤り)。凝固因子の消費によりプロトロンビン時間(PT)は延長し(選択肢5は正しい)、D-ダイマーはフィブリン分解産物であるため、線溶亢進を反映して著しく上昇します(選択肢2は正しい)。アンチプラスミンは線溶を抑制する因子ですが、DICでは線溶亢進によりプラスミンが大量に産生されるため、アンチプラスミンも消費され活性は低下します(選択肢4は誤り)。
選択肢ごとの解説
- 1. DICでは、全身の微小血管内で血小板が消費されるため、血小板数は減少します。正しくは:血小板数の減少選びやすい理由:凝固亢進状態と混同して、血小板も増加すると勘違いする可能性。混同注意:初期の凝固活性化と、その後の消費性凝固障害を混同しやすい。
- 2. 正解。DICでは、過剰なフィブリン形成とその後の二次線溶亢進により、フィブリン分解産物であるD-ダイマーが著しく上昇します。
- 3. DICでは、フィブリン形成にフィブリノゲンが大量に消費されるため、フィブリノゲン値は減少します。正しくは:フィブリノゲン値の減少選びやすい理由:急性炎症反応などでのフィブリノゲンの上昇と混同する可能性。混同注意:DICにおける消費性凝固障害と、急性期反応としてのフィブリノゲンの役割を混同しやすい。
- 4. DICでは、線溶系の亢進によりプラスミンが過剰に生成され、それを抑制するためにアンチプラスミンも消費されるため、活性は低下します。正しくは:アンチプラスミン活性の低下選びやすい理由:線溶抑制作用があるため、線溶を止めようと活性が上がると誤解する可能性。混同注意:プラスミンの作用とアンチプラスミンの関係、およびDICでの消費性凝固障害によるアンチプラスミンの減少を混同しやすい。
- 5. 正解。DICでは、凝固因子の消費が進行するため、外因系および共通系の凝固時間が延長し、PTの延長が見られます。
国試ポイント
DICの病態生理、特に「消費性凝固障害」と「二次線溶亢進」が検査所見にどのように反映されるかを理解しているか問う問題。主要な検査項目である血小板数、凝固時間(PT、APTT)、フィブリノゲン、FDP/D-ダイマーの変動を正確に把握していることが重要。
混同注意
DICの初期段階で凝固亢進が見られるため、一部の凝固因子が一時的に上昇することと、消費性凝固障害による最終的な減少を混同しやすい。また、凝固因子と線溶因子のそれぞれの働きとDICでの消費・産生バランスを理解していないと誤答しやすい。
次に同じ論点が出たら
DICの類縁疾患(例:血栓性微小血管症TMA)や、他の凝固異常疾患(例:血友病、ビタミンK欠乏症)との鑑別において、各検査項目の変動パターンがどのように異なるかを問う問題が出る可能性がある。治療薬(抗凝固薬、線溶抑制薬)の作用機序と効果判定指標についても学習しておくべき。
関連知識
DICの診断基準(日本血栓止血学会の診断基準など)、各凝固因子・線溶因子の生理的役割、主要な凝固検査の原理と臨床的意義。