針筋電図検査で随意収縮により記録されるのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第72回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
針筋電図検査において、患者が筋肉を意図的に収縮させる(随意収縮)と、運動神経が興奮し、それによって支配される複数の筋線維が同時に収縮します。この複数の筋線維の活動が合わさって生じる電位が運動単位電位 (MUP) です。MUPの波形や持続時間、振幅、出現頻度などから、神経原性疾患や筋原性疾患の診断に役立てられます。他の選択肢は、安静時や特定の異常状態で見られる電位であり、随意収縮によって記録される主な電位ではありません。
選択肢ごとの解説
- 1. 陽性鋭波は、神経原性または筋原性の疾患で筋線維が脱神経状態にあるときに、ごく軽い筋収縮や針の移動、安静時に出現する異常電位です。随意収縮では通常見られません。正しくは:随意収縮によって記録されるのは運動単位電位である。選びやすい理由:異常電位の一種なので、筋電図検査で記録される電位として選択肢に入っていると混同しやすい。混同注意:安静時や軽い刺激で出現する異常電位(線維自発電位など)と混同しやすい。
- 2. 正解。運動単位電位 (MUP: Motor Unit Potential) は、神経線維が支配する複数の筋線維が同時に活動することで生じる電位です。針筋電図検査において、患者が随意的に筋肉を収縮させた際に、個々の運動単位の活動が記録されます。
- 3. 線維自発電位は、脱神経状態にある個々の筋線維が自律的に活動する際に安静時に記録される異常電位です。随意収縮によって誘発されるものではありません。正しくは:随意収縮によって記録されるのは運動単位電位である。選びやすい理由:異常電位の一種であり、筋電図検査で記録される電位として知識があると誤解しやすい。混同注意:安静時に出現する異常電位(陽性鋭波など)と混同しやすい。
- 4. 線維束自発電位は、脱神経や再支配の過程で、多数の筋線維が自発的に収縮することによって、安静時に記録される電位です。随意収縮とは直接関連しません。正しくは:随意収縮によって記録されるのは運動単位電位である。選びやすい理由:自発電位という名称から、何らかの筋活動と関連があるように思えるため。混同注意:安静時に記録される異常電位(線維自発電位、陽性鋭波など)と混同しやすい。
- 5. ミオトニー放電は、筋強直症などで見られる筋線維の興奮性亢進による、連続的な自発放電です。筋収縮後に弛緩が遅れる現象に関連し、随意収縮によって直接記録される正常な電位ではありません。正しくは:随意収縮によって記録されるのは運動単位電位である。選びやすい理由:特定の筋疾患で特徴的に見られる電位なので、筋電図検査で記録される電位として知識があると選択しやすい。混同注意:特定の筋疾患で出現する異常電位(複合反復放電など)と混同しやすい。
国試ポイント
針筋電図検査における正常な電位と異常な電位の区別、特に随意収縮時に記録される電位の種類について問われています。各電位がどのような状況で観察されるかを正確に理解しているかが重要です。
混同注意
安静時電位(線維自発電位、陽性鋭波、線維束自発電位、ミオトニー放電など)と随意収縮時電位(運動単位電位)の区別。
次に同じ論点が出たら
筋電図検査に関する問題が出た場合、各電位が『安静時』『軽い随意収縮時』『最大随意収縮時』のどの段階で、どのような疾患で観察されるかを注意深く確認する。
関連知識
針筋電図検査の原理、運動単位の概念、各異常電位(陽性鋭波、線維自発電位、線維束自発電位、複合反復放電、ミオトニー放電など)が出現する疾患と特徴的な波形。