循環生理で正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第72回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
心拍出量は、心臓が1分間に全身に送り出す血液の総量を示す指標であり、心臓の1回の収縮で左心室から拍出される血液量である一回拍出量と、1分間あたりの心臓の拍動回数である心拍数を乗じることで算出されます。これは心臓のポンプ機能の評価に不可欠な生理学的指標です。
選択肢ごとの解説
- 1. 肺動脈の血圧は体循環における大動脈の血圧よりもはるかに低い値を示します。肺循環は低圧系であり、肺動脈圧は平均約15mmHg程度であるのに対し、大動脈圧は平均約90-100mmHgと高圧系です。正しくは:肺動脈の血圧は大動脈の血圧よりも低い値を示します。選びやすい理由:動脈という名称から、全身に血液を送る大動脈と同じような高圧を想像してしまう可能性があります。また、左右の心室がほぼ同じ量の血液を拍出するため、圧も同じだと誤解することもあります。混同注意:体循環と肺循環の血圧の違い、および左右心室の拍出量の同等性と圧力の違い。
- 2. 三尖弁は右心房と右心室の間に位置する弁です。左心房と左心室の間には僧帽弁(二尖弁)が位置します。正しくは:三尖弁は右心房と右心室の間に位置します。選びやすい理由:心臓の弁の名称と位置関係は非常に混同しやすく、特に三尖弁と僧帽弁の位置を逆にして記憶してしまうことがあります。混同注意:三尖弁と僧帽弁(二尖弁)の解剖学的位置。
- 3. 肺静脈からは酸素を豊富に含んだ血液が左心房へと流れ込みます。右心房へは体循環から戻ってきた酸素飽和度の低い静脈血が、大静脈(上大静脈と下大静脈)を介して流入します。正しくは:肺静脈から左心房へと血液が流れ込みます。選びやすい理由:「静脈」という名称から、通常は酸素飽和度の低い血液が流れるイメージがあるため、肺静脈が右心房に流れ込むと誤解しやすいです。また、肺循環と体循環の血液の流れの経路が混同されることがあります。混同注意:肺循環における血液の流れの経路と、体循環における静脈血が流入する場所。
- 4. 正解。心拍出量は、心臓が1分間に全身に送り出す血液の総量を指し、左心室が1回の収縮で送り出す血液の量(一回拍出量)と、1分間あたりの心拍数を乗じた値で算出されます。選びやすい理由:これは心臓のポンプ機能を評価する基本的な計算式であり、循環器系の生理学で最も重要な概念の一つです。正確に理解していれば迷うことはありません。混同注意:特になし。これは循環器生理学の基礎中の基礎であるため、正確に理解しているかどうかが問われます。
- 5. 肺動脈には、体循環から戻ってきた酸素飽和度が低い静脈血が流れています。この血液が肺でガス交換されて酸素を豊富に含んだ動脈血となり、肺静脈を通って左心房へ送られます。正しくは:肺動脈中には、酸素飽和度が低い静脈血が流れています。選びやすい理由:「動脈」という名称から、一般的に酸素飽和度が高い血液(動脈血)が流れると想像しやすいですが、肺動脈は例外的に酸素飽和度の低い血液を肺に送る役割があります。混同注意:「動脈」と「静脈」の名称と、それに伴う血液の酸素飽和度の関係(肺循環と体循環での例外)。
国試ポイント
循環器系の基本的な生理機能、特に血圧、心臓の弁の解剖学的配置、血液の流れ、心拍出量の計算方法、および動静脈の血液の酸素飽和度について正確に理解しているかが問われています。
混同注意
心拍出量と一回拍出量、動脈と静脈の一般的な血液の質(酸素飽和度)の違い、体循環と肺循環の血圧の違いが混同されやすい点です。
次に同じ論点が出たら
心拍出量の計算式を問う問題が出た場合は、「一回拍出量 × 心拍数」が基本であることを確認します。また、心臓の各弁の位置や血液の流れの経路、肺動脈と大動脈、肺静脈と体静脈の血液の性状の違いを正確に把握できているかを確認して判断します。
関連知識
心係数(心拍出量を体表面積で割った値)、平均動脈圧の計算式(拡張期血圧+1/3(収縮期血圧−拡張期血圧))、主要な心音(I音、II音)が発生するメカニズムなどを合わせて学習すると、循環器系の理解が深まります。