鞭毛を有するのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第68回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は5番
解説
Vibrio parahaemolyticus(腸炎ビブリオ)は、グラム陰性桿菌であり、その運動性は周毛性鞭毛と極鞭毛の両方を持つことによる。特に、液体培地では極鞭毛を、固形培地では周毛性鞭毛を産生するという特徴がある。鞭毛を持つことで水中を移動し、魚介類に付着・増殖して食中毒の原因となる。
選択肢ごとの解説
- 1. Acinetobacter baumannii(アシネトバクター・バウマニ)はグラム陰性桿菌であるが、鞭毛を持たず、非運動性である。粘液層を持つことがあり、宿主への付着に関与するが、運動性には寄与しない。正しくは:Acinetobacter baumanniiは鞭毛を持たず非運動性である。選びやすい理由:グラム陰性桿菌の中には鞭毛を持つものが多いという一般的な知識から、誤って選んでしまう可能性がある。混同注意:運動性を示すグラム陰性桿菌(例:Pseudomonas属)
- 2. Clostridium perfringens(ウェルシュ菌)はグラム陽性桿菌であり、嫌気性菌である。鞭毛を持たず、非運動性である。芽胞形成能を持つが、運動性はない。正しくは:Clostridium perfringensは鞭毛を持たず非運動性である。選びやすい理由:芽胞形成菌であることから、何らかの特殊な構造を持つと連想し、鞭毛を連想してしまう可能性がある。また、食中毒の原因菌であるため、他の食中毒菌と混同しやすい。混同注意:運動性を示す他のClostridium属菌(例:Clostridium tetani)や他の食中毒菌
- 3. Klebsiella pneumoniae(肺炎桿菌)はグラム陰性桿菌であり、多糖体莢膜を持つ。鞭毛を持たず、非運動性である。この莢膜が病原性(抗貪食性)に寄与する。正しくは:Klebsiella pneumoniaeは鞭毛を持たず非運動性である。選びやすい理由:同じ腸内細菌科の細菌(例:大腸菌、サルモネラ菌)には鞭毛を持つものが多いため、混同しやすい。莢膜の存在を運動性と誤解する可能性もある。混同注意:Escherichia coliやSalmonella属などの運動性腸内細菌科細菌
- 4. Shigella sonnei(ソンネ赤痢菌)はグラム陰性桿菌であり、腸内細菌科に属する。鞭毛を持たず、非運動性である。赤痢菌属の共通の特徴である。正しくは:Shigella sonneiは鞭毛を持たず非運動性である。選びやすい理由:腸内細菌科には運動性を示す菌が多い(例:大腸菌、サルモネラ菌)ため、混同しやすい。同じく食中毒の原因菌であることから、運動性のある菌種と誤解する可能性がある。混同注意:Escherichia coliやSalmonella属などの運動性腸内細菌科細菌
- 5. 正解。Vibrio parahaemolyticus(腸炎ビブリオ)はグラム陰性桿菌であり、極鞭毛と周毛性鞭毛の両方を持つ運動性細菌である。特に海水中に生息し、魚介類を介した食中毒の原因菌として重要である。選びやすい理由:特になし。正答であるため、その特徴を正確に記憶していれば選択できる。混同注意:特になし。他の非運動性細菌との明確な区別が可能。
国試ポイント
細菌の鞭毛の有無は、細菌の分類、病原性、および感染経路を理解する上で重要である。特に、主要な病原細菌について、鞭毛の有無と運動性を関連付けて覚える必要がある。
混同注意
グラム陰性桿菌の中には鞭毛を持つものと持たないものが存在し、運動性の有無で区別されることが多い。例えば、腸内細菌科の中でもKlebsiella属は非運動性であるのに対し、Salmonella属やEscherichia coliは運動性である。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出た場合、各選択肢の細菌について、グラム染色性、形態、運動性の有無、および主要な病原性を総合的に判断する。特に、運動性を示す細菌の代表例を確実に記憶しておく。
関連知識
鞭毛は細菌の運動器官であり、宿主への定着や感染拡大に関与することがある。鞭毛の有無は細菌の鑑別診断に用いられる重要な性状の一つである。また、鞭毛の構造や構成タンパク質(フラジェリン)は免疫応答の標的となることもある。