染色体数の異常を伴うのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第72回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
クラインフェルター症候群は、最も一般的な性染色体数の異常(47, XXY)によって引き起こされる疾患であり、本設問の条件に合致します。他の選択肢は、いずれも特定の遺伝子の変異によって発症する単一遺伝子疾患であり、染色体数に異常はありません。
選択肢ごとの解説
- 1. 常染色体劣性遺伝性疾患であり、ATP7B遺伝子の変異が原因です。染色体数そのものに異常はありません。正しくは:遺伝子異常(ATP7B遺伝子の変異)が原因である。選びやすい理由:遺伝性疾患であるため、広義の「遺伝子異常」と捉えて誤って選択する可能性があります。混同注意:遺伝子変異による疾患と染色体数異常による疾患の区別が曖昧な場合に混同しやすいです。
- 2. 常染色体優性遺伝性疾患であり、FBN1遺伝子の変異が原因です。染色体数そのものに異常はありません。正しくは:遺伝子異常(FBN1遺伝子の変異)が原因である。選びやすい理由:結合組織の異常を伴う遺伝性疾患として広く知られているため、詳細を問われずに選択してしまう可能性があります。混同注意:遺伝子変異による疾患と染色体数異常による疾患の区別が曖昧な場合に混同しやすいです。
- 3. 正解。主に男性が余分なX染色体を持つ(例: 47, XXY)ことにより発症する疾患であり、これは性染色体数の異常に該当します。
- 4. 腫瘍抑制遺伝子であるVHL遺伝子の変異が原因で起こる常染色体優性遺伝性疾患です。染色体数そのものに異常はありません。正しくは:遺伝子異常(VHL遺伝子の変異)が原因である。選びやすい理由:疾患名が長く、複雑な印象を与えるため、詳細を知らないと間違いやすいことがあります。混同注意:遺伝子変異による疾患と染色体数異常による疾患の区別が曖昧な場合に混同しやすいです。
- 5. X染色体上のジストロフィン遺伝子の変異が原因で起こるX連鎖劣性遺伝性疾患です。染色体数そのものに異常はありません。正しくは:遺伝子異常(X染色体上のジストロフィン遺伝子の変異)が原因である。選びやすい理由:X染色体上の遺伝子変異が原因であるため、「性染色体異常」と誤解して選択してしまう可能性があります。混同注意:X染色体上の遺伝子異常(単一遺伝子疾患)と、X染色体数の異常(性染色体異数性)を混同しやすいです。
国試ポイント
この問題は、遺伝性疾患を「染色体数異常」「染色体構造異常」「単一遺伝子疾患」といった主要なカテゴリーに分類し、それぞれの代表的な疾患を理解しているかを問うています。特に、有名な疾患について、どのようなタイプの遺伝子・染色体異常が原因であるかを正確に把握していることが重要です。
混同注意
遺伝子異常(単一遺伝子疾患)と染色体異常(染色体数異常・染色体構造異常)は混同されやすい概念です。また、X連鎖遺伝性疾患と性染色体数異常も区別が必要です。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、まず疾患名を見たときに、それが「染色体数の異常」「染色体構造の異常」「単一遺伝子の異常」のいずれに分類されるかを判別する練習を重ねましょう。特に、性染色体に関連する疾患では、遺伝子異常(例: デュシェンヌ型筋ジストロフィー)と染色体数異常(例: クラインフェルター症候群、ターナー症候群)の区別を明確にすることが重要です。
関連知識
・常染色体数異常: ダウン症候群(21トリソミー)、エドワーズ症候群(18トリソミー)、パタウ症候群(13トリソミー) ・性染色体数異常: ターナー症候群(45, X)、XXX症候群(トリプルX症候群)、XYY症候群 ・単一遺伝子疾患の遺伝形式: 常染色体優性遺伝、常染色体劣性遺伝、X連鎖優性遺伝、X連鎖劣性遺伝 ・染色体構造異常の例: 転座型ダウン症候群、猫なき症候群(5p欠失症候群)