血液細胞数測定の模式図(別冊No. 13)を別に示す。この測定で正しいのはどれか。2つ選べ。

選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第71回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢・図は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整え、図は冊子から切り出しています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4・5番
解説
電気抵抗法による血液細胞数測定(クックルター原理)では、白血球測定時には赤血球の干渉を避けるため溶血処理を行い、細胞が細孔を通過する際の電気抵抗変化をパルスとして捉え、その数と大きさを測定します。
選択肢ごとの解説
- 1. クックルター原理に基づく血液細胞数測定では、細胞が細孔を通過する際の電気抵抗変化を検出するために直流電流を用います。正しくは:測定には直流電流が使用されます。選びやすい理由:電気的な測定であるため、交流電流を用いると誤解しやすい。混同注意:電気泳動やインピーダンスの測定で交流を用いる場合と混同しやすい。
- 2. 電気抵抗法では、細胞のサイズ(体積)に基づいて分類するため、破砕赤血球と血小板はサイズが近いため、明確に区別することは困難です。正しくは:破砕された赤血球と血小板を明確に区別することは困難です。選びやすい理由:機器が様々な細胞を識別できるため、破砕赤血球も区別できると誤解しやすい。混同注意:フローサイトメトリーなど、より多角的な情報(散乱光や蛍光)を用いる測定法との混同。
- 3. クックルター原理では、細胞が細孔を通過する際に生じるパルス電圧の大きさは、細胞の体積(容積)に比例します。正しくは:発生するパルス電圧は細胞の体積に比例します。選びやすい理由:細胞の物理的特性を反映するため、重量と誤解しやすい。混同注意:細胞の「重さ」という表現と、体積が混同されやすい。
- 4. 正解。白血球の測定において、数が多い赤血球はバックグラウンドノイズとなるため、白血球数を正確に数えるために溶血処理を行い、赤血球を除去してから測定します。これにより、白血球のみを精度良く検出できます。選びやすい理由:正しい知識がなければ、溶血処理の必要性を見落とす可能性がある。混同注意:血小板測定時など、溶血処理が不要な場合と混同しないように注意。
- 5. 正解。これはクックルター原理(電気抵抗法)の基本的な測定原理です。細胞が非導電性の物質であるため、導電性の希釈液中に懸濁された細胞が細孔を通過すると、電気抵抗が瞬間的に増加し、この変化をパルス信号として捉えます。選びやすい理由:抵抗変化という直接的な表現のため、理解していれば選びやすい。混同注意:光学的測定法やフローサイトメトリーの原理と混同しないよう注意。
国試ポイント
クックルター原理(電気抵抗法)による血液細胞数測定の基本原理と、各血球測定における前処理(特に溶血処理)の必要性が問われています。電気抵抗法の特性(直流電流、細胞体積に比例するパルス、抵抗変化の検出)を正確に理解しているかが重要です。
混同注意
電気抵抗法と光学的方法(フローサイトメトリーなど)の原理、直流電流と交流電流、パルス電圧が比例するもの(体積と重量)を混同しやすい。また、溶血処理が必要な細胞と不要な細胞(特に白血球と血小板)の区別もポイント。
次に同じ論点が出たら
この論点が出題された場合、まず測定原理がクックルター原理(電気抵抗法)であることを確認し、その基本(直流電流、細孔、抵抗変化、体積比例)を思い出す。次に、白血球測定時の赤血球溶血の必要性を思い出す。光散乱や蛍光標識を用いる方法との違いも意識する。
関連知識
クックルター原理の歴史的背景、自動血球計数装置の種類とそれぞれの測定原理(電気抵抗法、光学法、蛍光法など)、各血球の測定フロー、干渉因子と対策。