ビタミン欠乏症について正しいのはどれか。
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出典:厚生労働省ホームページ(第68回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2番
解説
巨赤芽球性貧血は、DNA合成に重要な役割を果たすビタミンB12(コバラミン)または葉酸の欠乏によって引き起こされる貧血です。これらのビタミンが不足すると、赤血球の成熟が阻害され、巨大で未熟な赤芽球が骨髄に蓄積し、最終的に巨赤芽球性貧血へと進行します。ビタミンB12と葉酸はともにビタミンB群に分類されるため、選択肢2は正しい記述です。
選択肢ごとの解説
- 1. ビタミンA欠乏症の主な症状は、夜盲症(鳥目)や眼球乾燥症(結膜や角膜の乾燥、角膜軟化症)であり、白内障とは異なる病態です。正しくは:ビタミンAの不足は夜盲症を引き起こす。選びやすい理由:眼に関連する症状であるため、ビタミンA欠乏と関連があるように見えやすいです。しかし、白内障の主な原因は加齢や代謝異常、紫外線曝露などであり、ビタミンA欠乏とは直接関連がありません。混同注意:ビタミンA欠乏による夜盲症や角膜乾燥症などの眼症状と、加齢性や糖尿病性などの原因で生じる白内障の病態を混同しやすいです。
- 2. 正解。ビタミンB₁₂はDNA合成に必要で、欠乏すると巨赤芽球性貧血をきたします。
- 3. ビタミンC欠乏症の典型的な症状は壊血病で、コラーゲン合成不全による血管脆弱性、出血傾向、歯肉炎、皮膚症状などが現れます。また、鉄の吸収を促進するため、欠乏により鉄欠乏性貧血を伴うことはありますが、赤血球が破壊される溶血性貧血とは異なる病態です。正しくは:ビタミンCの欠乏は壊血病を招く。選びやすい理由:「貧血」というキーワードから、何らかのビタミン欠乏と貧血が関連するという点で、正答のように感じやすいです。ビタミンCは鉄吸収を助けるため、間接的に貧血に関与しますが、溶血性貧血とは機序が異なります。混同注意:ビタミンC欠乏による鉄欠乏性貧血と、赤血球が破壊される溶血性貧血を混同しやすいです。また、ビタミンCが関与するコラーゲン合成不全による出血傾向を貧血と直結させやすいですが、溶血とは異なります。
- 4. ビタミンD欠乏症は、小児ではくる病、成人では骨軟化症が主な症状です。尿管結石は、高カルシウム尿症や高シュウ酸尿症などが主な原因であり、ビタミンD欠乏とは直接関連がありません。むしろ、ビタミンDの過剰摂取が高カルシウム血症を引き起こし、尿路結石のリスクを増加させる可能性があります。正しくは:ビタミンDが不足するとくる病や骨軟化症のリスクが高まる。選びやすい理由:ビタミンDがカルシウム代謝に関与するため、カルシウム関連の病態である尿管結石と結びつけやすいですが、欠乏ではなく過剰でリスクが高まります。混同注意:ビタミンD欠乏による骨代謝異常と、尿路結石の形成メカニズムを混同しやすいです。また、ビタミンDの過剰摂取による高カルシウム血症と尿路結石の関連を、欠乏症の場合と誤認しやすいです。
- 5. ウェルニッケ脳症は、ビタミンB1(チアミン)の欠乏によって引き起こされる神経精神疾患です。一方、ビタミンE欠乏症は、溶血性貧血(特に未熟児)や神経症状(運動失調、深部腱反射の消失、感覚障害など)を引き起こしますが、ウェルニッケ脳症とは異なります。正しくは:ビタミンEの不足は溶血性貧血や神経症状を引き起こす。選びやすい理由:ビタミンE欠乏も神経症状を呈することがあるため、ウェルニッケ脳症のような神経系の病態と関連があるように見えやすいです。しかし、原因となるビタミンが異なります。混同注意:ビタミンB1欠乏によるウェルニッケ脳症と、ビタミンE欠乏による神経症状(運動失調など)を混同しやすいです。どちらも神経系の異常という点で似ていますが、原因ビタミンは明確に異なります。
国試ポイント
この問題は、主要なビタミンの主な生理機能と、その欠乏によって引き起こされる典型的な疾患や症状に関する基礎知識を問うものです。特に、ビタミン名とそれに対応する欠乏症の正確な組み合わせを理解しているかが評価されます。各ビタミンがどの代謝経路に関与しているかを把握することが重要です。
混同注意
様々なビタミン欠乏症による症状(特に貧血や神経症状など)は多岐にわたり、互いに混同しやすい点が多いです。例えば、鉄欠乏性貧血と巨赤芽球性貧血、溶血性貧血の違い、ビタミンB1欠乏によるウェルニッケ脳症と他のビタミン欠乏による神経症状の区別など、特定の症状がどのビタミンと関連するかを正確に覚える必要があります。また、欠乏症と過剰症で異なる症状が出るビタミン(例:ビタミンD)についても注意が必要です。
次に同じ論点が出たら
同様の問題が出題された場合、まず各選択肢のビタミンと症状のペアが正しいかを一つずつ確認します。特に「貧血」や「神経症状」など、複数のビタミン欠乏で起こりうる一般的な症状については、具体的な病態(例:巨赤芽球性貧血、溶血性貧血、鉄欠乏性貧血、ウェルニッケ脳症など)とそれに対応するビタミンを正確に紐づけて判断することが重要です。また、欠乏症と過剰症で症状が異なるビタミン(例:ビタミンD、A)についても、状況をよく確認しましょう。
関連知識
脂溶性ビタミン(A, D, E, K)と水溶性ビタミン(B群, C)に大別され、それぞれ異なる役割を持ちます。ビタミンA:視覚、皮膚、粘膜の健康。ビタミンD:カルシウム・リン代謝、骨形成。ビタミンE:抗酸化作用。ビタミンK:血液凝固。ビタミンB群:糖質・脂質・タンパク質代謝の補酵素。ビタミンC:コラーゲン合成、抗酸化作用、鉄吸収促進。各ビタミンの吸収経路や貯蔵場所、主な摂取源も理解しておくと良いでしょう。