MRI検査で誤っているのはどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第70回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3番
解説
MRA(MRアンジオグラフィ)には、造影剤を使用しないTime-of-Flight (TOF) MRAやPhase Contrast (PC) MRAといった非造影法と、ガドリニウム造影剤を使用するContrast-Enhanced (CE) MRAが存在します。したがって、「必ず造影剤の使用が必要」という記述は誤りです。
選択肢ごとの解説
- 1. この記述は正しいです。T2強調画像は水分子のT2緩和時間を反映し、水分の多い組織(浮腫、嚢胞、脳脊髄液など)は高信号として描出されます。選びやすい理由:MRIの基本的な画像コントラストに関する知識であり、正しく理解していれば迷わない。混同注意:T1強調画像とT2強調画像の信号特性を混同する可能性。
- 2. この記述は正しいです。T1強調画像は水分子のT1緩和時間を反映し、脂肪組織はT1緩和時間が短いため高信号として描出されます。選びやすい理由:MRIの基本的な画像コントラストに関する知識であり、正しく理解していれば迷わない。混同注意:T1強調画像とT2強調画像の信号特性を混同する可能性。
- 3. 正解。この記述は誤っています。MRAには造影剤を使用しない非造影MRA(Time-of-Flight (TOF) MRA、Phase Contrast (PC) MRAなど)と、造影剤を使用する造影MRA(Contrast-Enhanced (CE) MRA)の両方が存在します。したがって、「必ず」造影剤が必要という表現は誤りです。正しくは:MRAには造影剤を使用しない方法と、造影剤を使用する方法の両方があります。選びやすい理由:血管病変の診断には造影剤が有効な場合が多く、またMRAの種類によっては造影剤を用いるものもあるため、この選択肢が正しいと誤解しやすい。混同注意:MRAの種類(非造影MRAと造影MRA)の区別がついていないと混同しやすい。
- 4. この記述は正しいです。拡散強調画像(DWI)は、水分子のブラウン運動の変化を捉えることで、超急性期(発症数分〜数時間以内)の脳梗塞巣を早期に高信号として検出するのに非常に有用です。選びやすい理由:脳梗塞の診断におけるDWIの重要性を理解していれば迷わない。混同注意:他の画像法(T1強調画像、T2強調画像など)での脳梗塞の描出時期と混同する可能性。
- 5. この記述は正しいです。T2*強調画像は、T2強調画像に加えて磁場の不均一性による信号減衰(T2*効果)を強調するため、ヘモジデリン沈着(陳旧性出血)や石灰化、鉄沈着などによる磁化率効果をより鋭敏に検出し、低信号として描出します。選びやすい理由:T2*強調画像の特性を理解していれば迷わない。混同注意:T2強調画像とT2*強調画像のコントラストメカニズムの違いを混同する可能性。
国試ポイント
MRI検査の基本的な原理、特に各シーケンス(T1強調画像、T2強調画像、拡散強調画像、T2*強調画像など)の画像コントラスト特性、およびMRAの手法に関する知識が問われています。MRAに非造影法があることを知っているかがポイントです。
混同注意
MRAの全種類に造影剤が必要だと誤解すること。T1強調画像とT2強調画像の信号特性を混同すること。拡散強調画像とT2*強調画像が検出する病変の種類や時期を混同すること。
次に同じ論点が出たら
今後同様の論点が出た場合は、各MRIシーケンスが『何を強調して』『どんな病変の検出に優れているか』を正確に判断できるかを確認します。特にMRAに関しては、非造影法と造影法の区別が重要です。
関連知識
MRIの基本的な物理原理(プロトン、磁場、RFパルス、緩和時間T1/T2)。各シーケンス(T1W, T2W, FLAIR, DWI, T2*W, MRA)の適用疾患と画像所見。造影剤の種類と副作用。非造影MRAと造影MRAの原理と適用。