栄養血管が腹腔動脈に由来するのはどれか。2つ選べ。
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出典:厚生労働省ホームページ(第72回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は1・5番
解説
胃は、腹腔動脈から直接または間接的に分岐する左胃動脈、右胃動脈、胃大網動脈などによって全面的に栄養されます。十二指腸は、その近位部が腹腔動脈の枝である総肝動脈から分岐する胃十二指腸動脈および上膵十二指腸動脈によって栄養されます。これらの臓器はいずれも腹腔動脈の主要な支配領域に含まれるため、正解となります。一方、回腸、結腸、直腸はそれぞれ上腸間膜動脈、下腸間膜動脈、内腸骨動脈系からの栄養が主となります。
選択肢ごとの解説
- 1. 正解。胃は、腹腔動脈の主要な枝である左胃動脈、総肝動脈(右胃動脈や胃十二指腸動脈を介して)および脾動脈(胃大網動脈を介して)から栄養供給を受けます。これら全てが腹腔動脈系に属します。
- 2. 回腸の栄養血管は、主に上腸間膜動脈から分岐する回腸動脈群です。正しくは:回腸の栄養血管は、上腸間膜動脈に由来します。選びやすい理由:小腸の一部であるため、腹腔動脈の支配範囲である十二指腸や空腸の近位部と混同し、消化管全体を一括りに考えてしまいやすいかもしれません。混同注意:腹腔動脈が支配する十二指腸の近位部や空腸の始まりの部分と混同する可能性があります。
- 3. 結腸は、上行結腸と横行結腸の一部が上腸間膜動脈から、横行結腸の一部と下行結腸、S状結腸が下腸間膜動脈から栄養されます。腹腔動脈からは直接的な主要な栄養供給はありません。正しくは:結腸の栄養血管は、上腸間膜動脈または下腸間膜動脈に由来します。選びやすい理由:消化管の連続性から、腹腔動脈の支配範囲と漠然と捉えてしまうかもしれません。混同注意:腹腔動脈が支配する胃や十二指腸と、腸管全体を混同する可能性があります。
- 4. 直腸の栄養血管は、主に下腸間膜動脈の終枝である上直腸動脈、内腸骨動脈から分岐する中直腸動脈、内陰部動脈の枝である下直腸動脈などです。腹腔動脈からは直接的な栄養供給はありません。正しくは:直腸の栄養血管は、下腸間膜動脈や内腸骨動脈系に由来します。選びやすい理由:骨盤内の臓器であり、その動脈支配を正確に把握していない場合に、消化管の広範な動脈支配の一部と誤解する可能性があります。混同注意:上部消化管や中部消化管の動脈支配(腹腔動脈、上腸間膜動脈)と混同する可能性があります。
- 5. 正解。十二指腸は、その近位部(球部および下行部の一部)が腹腔動脈の枝である総肝動脈から分岐する胃十二指腸動脈、さらに上膵十二指腸動脈を介して栄養されます。遠位部は上腸間膜動脈から供給されますが、腹腔動脈からの供給も重要な部分を占めます。
国試ポイント
消化管の主要な動脈支配(腹腔動脈、上腸間膜動脈、下腸間膜動脈)とその支配臓器の組み合わせを問う問題は、解剖学と生理学の基礎知識として頻繁に出題されます。特に、十二指腸や横行結腸のように複数の動脈から栄養される臓器の支配動脈の境界や割合が問われることもあります。
混同注意
十二指腸は腹腔動脈と上腸間膜動脈の両方から栄養されるため、その支配領域を混同しやすいです。また、消化管の連続性から、腹腔動脈支配の前腸由来臓器(胃、十二指腸近位部)と、上腸間膜動脈支配の中腸由来臓器(十二指腸遠位部、小腸、大腸の一部)、下腸間膜動脈支配の後腸由来臓器(大腸の一部、直腸)との区別が紛らわしい点です。
次に同じ論点が出たら
今後同様の問題が出題された場合は、まず選択肢の臓器が「前腸」「中腸」「後腸」のいずれに由来するかを判断し、それに対応する主要な動脈(腹腔動脈、上腸間膜動脈、下腸間膜動脈)を特定することが重要です。また、十二指腸や横行結腸のように複数の動脈から供給を受ける臓器については、その境界や割合についても確認しておく必要があります。
関連知識
腹腔動脈はT12レベルで腹部大動脈から分岐し、食道下部、胃、十二指腸近位部、肝臓、脾臓、膵臓など、前腸由来の臓器を主に支配します。上腸間膜動脈はL1レベルで分岐し、十二指腸遠位部から横行結腸近位2/3までの中腸由来の臓器を支配します。下腸間膜動脈はL3レベルで分岐し、横行結腸遠位1/3から直腸上部までの後腸由来の臓器を支配します。