ヒトパピローマウイルスが関与する悪性腫瘍はどれか。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第72回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は4番
解説
ヒトパピローマウイルス(HPV)は、主に性交渉を通じて感染し、特に高リスク型のHPV(16型、18型など)が持続感染することで子宮頸部の細胞が異形成を経て癌化する主要な原因となります。現在ではHPVワクチンによる予防や、子宮頸癌検診による早期発見・治療が広く行われています。
選択肢ごとの解説
- 1. 胃癌の主な原因はヘリコバクター・ピロリ菌感染や食生活習慣であり、HPVとは関連がありません。正しくは:胃癌の主な原因はヘリコバクター・ピロリ菌感染や食生活習慣です。選びやすい理由:ウイルス感染が関与する癌という点で、他のウイルス関連癌と混同する可能性があります。混同注意:胃癌はヘリコバクター・ピロリ菌、EBウイルス(一部)など他の微生物が関与する可能性があります。
- 2. 肝臓癌の主な原因はB型肝炎ウイルス(HBV)やC型肝炎ウイルス(HCV)感染であり、HPVとは関連がありません。正しくは:肝臓癌の主な原因はB型肝炎ウイルス(HBV)やC型肝炎ウイルス(HCV)感染です。選びやすい理由:ウイルス性肝炎による肝臓癌は非常に有名であり、他のウイルス関連癌と混同しやすいです。混同注意:肝臓癌はHBV、HCV、アルコール性肝炎、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)などが原因となります。
- 3. 膀胱癌の主な原因は喫煙や特定の化学物質への曝露であり、HPVとは関連がありません。一部の寄生虫(住血吸虫)感染も関与することがありますが、HPVではありません。正しくは:膀胱癌の主な原因は喫煙や特定の化学物質への曝露です。選びやすい理由:特定の感染症が癌の原因となるケースがあるため、膀胱炎などとの関連を想起させるかもしれません。混同注意:膀胱癌は喫煙、芳香族アミンなどの化学物質、住血吸虫(一部地域)などが原因となります。
- 4. 正解。子宮頸癌は高リスク型のヒトパピローマウイルス(HPV)感染が主要な原因であることが確立されています。HPVワクチン接種により予防可能です。
- 5. 子宮体癌(子宮内膜癌)はホルモンバランスの乱れ(特にエストロゲン過剰)や肥満などが主なリスク因子であり、HPV感染とは直接的な関連はありません。正しくは:子宮体癌の主なリスク因子はホルモンバランスの乱れ(特にエストロゲン過剰)や肥満です。選びやすい理由:子宮に発生する癌であるため、子宮頸癌と混同しやすいですが、両者は原因が異なります。混同注意:子宮体癌はエストロゲン、肥満、糖尿病などが関連します。子宮頸癌はHPVです。
国試ポイント
病原体とその病気が引き起こす疾患の関連性を問う基本的な知識。特にHPVと子宮頸癌の関連は非常に重要度が高く、公衆衛生の観点からも頻出です。類似の問い方として、他のウイルス(HBV/HCVと肝臓癌、EBVとバーキットリンパ腫/上咽頭癌など)と関連する癌についても知識が問われる可能性があります。
混同注意
子宮頸癌と子宮体癌の混同。どちらも子宮に発生する癌ですが、発生部位、主な原因、病態生理が全く異なります。子宮頸癌はHPVが原因で扁平上皮癌が多く、子宮体癌はホルモン関連で腺癌が多いという違いがあります。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、HPVの型ごとのリスクやワクチンの対象となる型、子宮頸癌のステージング、細胞診の結果判定など、より詳細な知識が問われる可能性があります。
関連知識
HPVワクチンの種類と効果、子宮頸癌検診(細胞診)の意義、HPVの他の病態(尖圭コンジローマ、頭頸部癌の一部)。