血球貪食症候群で高値を示すのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第65回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は3・5番
解説
血球貪食症候群(HLH)は、免疫の異常な活性化により全身性の炎症反応が起こる疾患です。診断基準にも含まれる主要な検査所見として、血清フェリチンおよび血清トリグリセライドの高値が挙げられます。フェリチンはマクロファージの過剰な活性化に伴い放出が亢進し、トリグリセライドはリポタンパクリパーゼ活性の低下などが原因で増加します。一方、血小板数、白血球数、および血漿フィブリノゲンは、マクロファージによる血球貪食やDICの合併により、一般的に低値を示します。
選択肢ごとの解説
- 1. 血球貪食症候群では、マクロファージが血小板を貪食するため、血小板数は減少します。正しくは:血小板数は「低値」を示す。選びやすい理由:炎症反応が強い病態であるため、急性期反応物質など全体的に高値を示す項目が多い印象から、血小板も高値と誤解しやすい。混同注意:他の炎症性疾患で見られる血小板増多と混同しやすい。
- 2. 血球貪食症候群では、マクロファージが白血球を貪食するため、白血球数は減少します。正しくは:白血球数は「低値」を示す。選びやすい理由:感染症や炎症が背景にあることが多く、それらの病態では白血球数が増加するため、誤って高値と判断しやすい。混同注意:細菌感染症などにおける白血球増多と混同しやすい。
- 3. 正解。血球貪食症候群では、炎症性サイトカインの過剰産生により、マクロファージからのフェリチン放出が亢進し、著明な高値を示します。これは診断基準の主要項目の一つでもあります。
- 4. 血球貪食症候群では、播種性血管内凝固症候群(DIC)を合併することが多く、凝固線溶系の異常によりフィブリノゲンの消費が亢進するため、血漿フィブリノゲンは減少します。正しくは:血漿フィブリノゲンは「低値」を示す。選びやすい理由:炎症性疾患であるため、急性期反応物質であるフィブリノゲンが増加すると誤解しやすい。しかし、HLHではDICの合併が多く、消費される点がポイント。混同注意:急性期反応物質としてのフィブリノゲンの役割と、DICにおける消費亢進の病態を混同しやすい。
- 5. 正解。血球貪食症候群では、リポタンパクリパーゼ活性の低下などにより、高トリグリセライド血症をきたすことがあります。これも診断基準の項目の一つです。
国試ポイント
血球貪食症候群の診断基準に含まれる検査項目(高値を示すもの、低値を示すもの)を正確に理解しているかが問われています。特に、炎症性疾患では一般に増加する項目が、HLHでは減少するという特徴を把握しているかが重要です。
混同注意
他の急性炎症性疾患や敗血症などの検査所見と混同しやすいです。特に、炎症反応の指標となるフェリチンと、DIC合併による凝固線溶系の変化、そして血球貪食による血球減少がポイントとなります。
次に同じ論点が出たら
次に同様の問題が出た場合、HLHの診断基準における検査所見(特に高値・低値を示すもの)を詳細に確認し、他の炎症性疾患との鑑別点を意識して選択肢を検討する。
関連知識
HLHの診断基準(HLH-2004診断基準)、サイトカイン(特にIFN-γ、TNF-α、IL-6)の役割、播種性血管内凝固症候群(DIC)の病態生理、およびそれらの検査所見。