M蛋白が検出されるのはどれか。2つ選べ。
選択肢をタップすると答えと解説が表示されます
出典:厚生労働省ホームページ(第67回臨床検査技師国家試験の問題および正答)。公共データ利用規約(第1.0版)に基づき利用。問題文・選択肢は公式の問題冊子のとおり掲載しています(文字の体裁を一部整えています)。解説は medimichi が作成したものです。
正解は2・5番
解説
Mタンパクは、単クローン性に増殖した形質細胞やリンパ球が産生するモノクローナル免疫グロブリン(またはその断片)です。多発性骨髄腫は形質細胞の異常増殖により、原発性マクログロブリン血症はリンパ形質細胞性リンパ腫の一部として、それぞれ特徴的にMタンパクを産生します。
選択肢ごとの解説
- 1. 骨髄線維症は、骨髄の線維化が特徴の骨髄増殖性腫瘍であり、Mタンパクの産生とは直接関連しません。Mタンパクは形質細胞やリンパ球系の異常増殖で産生されるものです。正しくは:Mタンパクが検出されるのは、形質細胞やリンパ球の異常増殖を伴う疾患です。選びやすい理由:血液疾患であるため、他の血液疾患と混同しやすい可能性があります。混同注意:他の骨髄増殖性腫瘍(真性多血症、本態性血小板増多症)と同様に、Mタンパクとは関連が薄い疾患です。
- 2. 正解。多発性骨髄腫は、形質細胞が単クローン性に異常増殖し、特徴的にMタンパク(モノクローナル免疫グロブリン)を過剰に産生する疾患です。これは診断基準の一つでもあります。
- 3. Hodgkinリンパ腫は、リード・シュテルンベルグ細胞を特徴とするリンパ性腫瘍ですが、Mタンパクの産生は通常認められません。Mタンパクは形質細胞性疾患や一部の非Hodgkinリンパ腫でみられます。正しくは:Mタンパクは、形質細胞性疾患や特定のB細胞リンパ腫で見られることがあります。選びやすい理由:リンパ腫という血液系の悪性腫瘍であるため、Mタンパクとの関連を疑いやすいかもしれません。混同注意:非Hodgkinリンパ腫の一部(例:リンパ形質細胞性リンパ腫)ではMタンパクが検出されることがありますが、Hodgkinリンパ腫では稀です。
- 4. 急性リンパ性白血病(ALL)は、未熟なリンパ系細胞(芽球)が異常増殖する疾患であり、分化した形質細胞によるMタンパクの産生は通常見られません。正しくは:Mタンパクは、成熟した形質細胞や特定のリンパ球が産生するモノクローナル免疫グロブリンです。選びやすい理由:Mタンパクも免疫グロブリンの一種であるため、リンパ系の異常増殖疾患全般と関連があると誤解する可能性があります。混同注意:慢性リンパ性白血病(CLL)や小リンパ球性リンパ腫でもMタンパクは通常認められませんが、稀に発生することがあります。ただし、主な特徴ではありません。
- 5. 正解。原発性マクログロブリン血症(Waldenstromマクログロブリン血症)は、リンパ形質細胞性リンパ腫の一種で、形質細胞への分化を示すリンパ球が単クローン性に異常増殖し、特徴的に大量のモノクローナルIgM(Mタンパク)を産生します。
国試ポイント
Mタンパクが検出される代表的な疾患を正確に識別できるかどうかが問われています。特に多発性骨髄腫と原発性マクログロブリン血症は必須知識です。Mタンパクが検出されない他の血液疾患との鑑別も重要です。
混同注意
Mタンパクが検出される疾患(形質細胞疾患、一部のB細胞リンパ腫)と、Mタンパクが検出されないその他の血液疾患(骨髄増殖性腫瘍、急性白血病、Hodgkinリンパ腫など)との区別が混同されやすいです。特にリンパ系腫瘍の中でも、Mタンパク産生を伴うものと伴わないものの違いを理解しておく必要があります。
次に同じ論点が出たら
次に同じ論点が出た場合、Mタンパクの種類とそれに関連する疾患(例: IgM型Mタンパクと原発性マクログロブリン血症)の組み合わせや、Mタンパクが病態に与える影響(例: 過粘稠度症候群)について問われる可能性があります。
関連知識
Mタンパクの種類(IgG, IgA, IgM, 遊離軽鎖など)と、各疾患での主なMタンパクの種類。意義不明の単クローン性ガンマグロブリン血症(MGUS)との関連。診断におけるMタンパク電気泳動・免疫固定法の重要性。